歴代でも長い? “アイドル寿命”の定説を覆した「AKB48」の戦略
「花のいのちは短くて」という言葉があるが、アイドル、とりわけ女性アイドルの全盛期は必ずしも長くない。世の中の嗜好が絶えず変化し、続々と「次の時代」を目指して新しいアイドルたちがデビューする中で、ずっとトップを走り続けることは容易ではない。昨年にグループ結成10周年を迎えたアイドルグループ「AKB48」。昨今の「アイドル戦国時代」を勝ち抜き、長らくトップアイドルであり続けている。その“寿命”はいつまで続くのだろうか。 【画像】「女性アイドルブーム」は曲がり角を迎えたのか?
勢いに陰り? ブランドはまだ健在?
AKB48は昨年、シングル総売上枚数は約3615万8000枚を記録し、「B’z」の約3580万9000枚を抜き、歴代1位の偉業を達成した。昨年大みそかに放送された「NHK紅白歌合戦」では、「AKB48」はダンス&ボーカルユニット「EXILE」と並び、歌手別視聴率で43.4%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)してトップとなり、存在感を示した。 AKB48にとって「紅白」は特別なステージだ。07年に初出場した際は、中川翔子やリア・ディゾンとともに3組セットでの“アキバ枠”での出場となり、出演時間もわずかだった。あれから8年の月日が流れ、グループ結成10周年の節目の年に並み居る人気アーティストを抑えて歌手別視聴率でトップを飾るまでに成長したのだから、現役&OGメンバーやファンの感慨もひとしおだろう。 だがその一方で、同年12月に発売された最新シングル『唇にBe My Baby』は、累積売上でミリオンを達成したものの、11年リリースの21stシングル『Everyday、カチューシャ』から、前作『ハロウィン・ナイト』まで21作連続していた“初日ミリオン”はならなかった。 さらに、相次ぐメンバーの卒業発表なども影響もあり、一部からは「AKB48のブームももう終わり」という厳しい声も出ているが……。 「確かにブームという意味では多少沈静化しているかもしれないけど、逆に言えば一過性の熱ではなく、その存在が完全に世間に定着したという見方もある。実際、テレビ番組なんかを見ても、『AKB48』や姉妹グループのメンバーたちの活躍は目立つし、グループとしてのブランドはまだまだ健在だと思うけどね」(芸能プロダクション関係者)