ペンギンのよちよち歩き←「実は足は長いんです!」 コアラがいつも眠ってるワケ 名物飼育員に聞く動物豆知識
「史上最高齢の飼育されたコアラ」としてギネス世界記録®︎に認定された「みどり」や、アイドルひつじの「ひまり」など、たくさんの動物と出会える兵庫県南あわじ市の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」。 【写真】絵がうますぎると話題 名物飼育員が手描きした「ペンギン」 足の仕組みもわかる 同園には、来園者が動物について質問できる「質問回収ポスト」があり、飼育員がイラスト付きで回答。その“うますぎるイラスト”とユーモアを交えた回答文が話題となり、『飼育員さんのすごいこたえ』というタイトルの書籍にまとめられています。 回答を書いている飼育員というのが、飼育担当長の後藤さん。このたび、後藤さんがラジオ関西の番組に出演。リスナーから寄せられた質問に回答しました。 ◆「ワニが好きな6歳の次男の質問です。ワニは無敵なイメージですが弱点はありますか? 天敵はいますか?」(ラジオネーム:カコカコさん) 【後藤さん】ワニは、恐竜が生きていた時代からほとんど姿かたちを変えることなく生き残ってきました。完成された“無敵のデザイン”と言えますが、そんなワニにも弱点があります。 口を閉じて咬む力がものすごく強いのに対して口を開ける力は弱いので、中型くらいまでのワニであれば先手必勝で口を押さえてしまえば、かみつくことができないと思われます。だからといって決して戦おうとしないでくださいね(笑)。 ちなみに野生下でのワニの天敵は、ジャガーやニシキヘビなど水辺に棲む大型の肉食動物が挙げられます。 ◆「ヒツジたちはいつ頃眠っているんですか?」 【後藤さん】ヒツジの睡眠時間は一日の合計睡眠時間が4時間程と言われています。なぜかというと、肉食動物に狙われる恐れのある草食動物は警戒心が強く、睡眠時間が短く浅いものが多いです。 そのため、ヒツジの担当飼育員でも熟睡しているところを滅多に見たことがないと言っていました。 もし見ることができたらとても貴重な経験になりますね。 ◆「ユーカリの葉には毒があるのに、なぜコアラは食べることができるんですか?」(ラジオネーム:箱詰めざむらいさん) 【後藤さん】コアラの盲腸は体長の3倍あります。その長さは約2mにもなるのですが、その長い盲腸と盲腸内で共生している微生物の力を借りてユーカリを無毒化しています。毒素の分解に多くのエネルギーを費やすため、その代償として昼夜問わず一日中眠る生活を送っています。睡眠時間は約20時間と動物界の中でもトップクラスなんです。先ほど紹介したヒツジとは真逆ですね。 イングランドの丘にも6頭のコアラがいますが、せっかく会いに来てくれても眠っていることが多いかもしれません。でも決して起こそうとせず、寝ながらお腹の中でユーカリの葉の繊維や毒を頑張って消化しているんだと思って、優しく見守ってあげてください。 ◆「ペンギンは、なぜ陸ではノロノロなのに水中ではむっちゃ早く泳ぐのですか?」(ラジオネーム:ハピプラ大好きさん) 【後藤さん】ペンギンが陸上で歩くのが遅いのは、水中で速く泳ぐために特化した結果といえます。ペンギンは、主に翼にあたる部分ではばたいて泳ぎます。この翼は実は硬い骨でできていて、イメージ的には鉄板が入っているようなものです。この、オールのように進化した翼で泳ぐためとっても早く泳げます。そして泳ぐとき、足はほとんど使いません。 ペンギンの足は短く見えますよね。でも、実は外から見るよりずっと長いんですよ。ペンギンは本来、長い足の骨格をもつ鳥なのですが、泳ぐ時には、その長い足が邪魔になり水中で抵抗を生んでしまうことから、ひざを曲げてしゃがんだような状態で、足が体の中に隠れています。そのため、陸上ではよちよち歩きになります。 しゃがんだような状態で筋肉がついているため、足を伸ばすことはできないのですが、この足の形は水中での抵抗をなくすほかに、内臓を守る役割も果たしています。 ※ラジオ関西『Clip』2022年5月16日放送回より
ラジオ関西