セレブのミームコイン騒動はビットコイン10万ドルの瞬間に泥を塗ったのか
ビットコイン(BTC)が10万ドルの大台を超え、暗号資産(仮想通貨)のOG(初期購入者)たちを騒然とさせた。トランプ次期大統領はDOGE(政府効率化省)のTシャツを売っている(自身とイーロン・マスク氏、ドージコインのモチーフである柴犬がプリントされている)。熱狂の時だ。 しかし、暗号資産を保有していない友人たちは、私にあることについてメールしてきている。 ホーク・トゥア(Hawk Tuah:HAWK)だ。 7人というきわめて非科学的なサンプル数だが、暗号資産についてメッセージを送ってきた7人の友人の中で6人がほぼ同じ質問をしてきた。 「ホーク・トゥアは、どうなっているのか?」と(7人目はライトコインについて質問してきた)。 ビットコインが歴史的な水準を突破したのと同じタイミングで、まだそこまで知られていないセレブがミームコインに手を出したことがネット上で話題になっていることは、業界の関心と一般大衆(少なくとも私の友人たち)の関心の間に大きな隔たりがあることを示している。 4日にホーク・トゥアがローンチされると、すぐに時価総額は5億ドル(約750億円)近くまで急上昇した。しかしあっという間に1億ドル以下に暴落し、一時は数十万ドルまで膨れ上がったの保有者たちの資産は一掃された。現在、時価総額は3000万ドル以下だ。 ミームコインに投資することは、確実な投資戦略では決してない。ホーク・トゥアが他よりも悪い投資である兆候はあった。ローンチ時に内部関係者による売り抜け疑惑が浮上していた(創設者らは否定)。 私に連絡してきた人のほとんどは、このレベルの情報さえ知らなかった。彼らはミームコインのモチーフとなったオノマトペ「ホーク・トゥア」を流行らせたヘイリー・ウェルチ(Haliey Welch)氏が暗号資産を発行したが、あまりうまくいかなかったと聞いただけだった。 「すべてがナンセンスだという以前の信念はさらに強まった」と2020年にビットコインを購入したが、すぐに売却したある友人は私に語った。彼は、ビットコインやイーサリアム(ETH)には「一定の技術的先進性」があるかもしれないと認めた。しかし、「基本的に誰でも、新しい、もしかしたら人気になるかもしれない暗号資産をいつでも作ることができるという事実」は、彼を困惑させた。 驚いたことにこの友人は、ビットコインが10万ドルを超えたことを知らなかった。またホーク・トゥアについて私に連絡してきたほとんどの「一般人」も、この事実を知らなかった。 それよりも、彼らはホーク・トゥアが法的な制裁を受けるのではないかと考えていた。 「ウェルチ氏は人々の生活を台無しにした波及効果の責任を図らずも負うことになるのではないか」と別の友人はつぶやいた。 彼もビットコイン価格には興味がなかった。昔も今も買う気はない。「暗号資産は嫌いだ」と彼は言った。 暗号資産を嫌っている人は多い。それが、私が知っている多くの人がホーク・トゥアに魅了されている理由かもしれない。だがホーク・トゥアは、彼らがデジタルの、ナンセンスなコインに対して抱いている、悪い、詐欺のようなイメージをさらに強化した。 もちろん、これがパーミッションレス・ブロックチェーンの良い点であり、悪い点でもある。誰でも、何でもできる。 私に連絡してきた人のうち、ビットコインに言及したのは1人だけだった。その友人は金(ゴールド)の信奉者で、ビットコインが10万ドルを24時間維持できなかったことを冗談めかして揶揄した。 取引アプリのロビンフッド(Robinhood)を使って暗号資産を購入している別の友人は、ビットコインを持っていないことを認めた。 「ビットコインを持っていない理由は特にない。単にメインストリームではないだけ」と彼は述べた。 「ライトコインで月まで行くつもりだ」 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:CoinDesk|原文:Did Hawk Tuah Crypto Debacle Eclipse Bitcoin's $100K Moment?
CoinDesk Japan 編集部