シーズン序盤で圧倒的な数字を残した谷村里佳…新韓銀行の反撃の起点となるか
「チームプレーの精度を高めたい」と今後に意欲
谷村はセンターというポジションもあり、「外でもらって1対1を仕掛けるというよりかは、ピックを使ってズレを作ってシュートといったように、ボールをもらってから自分でどうにかすること」を得意としている。そのため、谷村へのパスというのもポイントになってくるが、「私はパスが入ると思っていても出す側は難しいと判断するときもあるので、今後もそこはコミュニケーションを取りながら練習を重ねていきたいと思います」と、語る。 チームメートは初めて一緒に戦う選手たち。なおかつ谷村自身も実戦復帰から間もないのだから無理もないだろう。合わせのプレーやチームプレーの精度は、シーズンを戦いながら高めていくことになりそうだ。 新韓銀行はサムソン生命に勝利した日、試合前に健康上の理由によりグ・ナダン監督からコーチだったイ・シジュン氏が監督代理を務めることを発表された。そのため、シーズン初勝利の日は新指揮官の初陣の日でもあった。 「(イシジュン監督代理は)韓国のプロリーグで(選手として)やられた方。ポイントを分かっているというか、(前監督と同じく)意見も言いやすいです」と、谷村は言う。実際にサムソン生命戦でも試合終盤、メンバーチェンジのタイミングに疑問を持ったことで、谷村はその理由を聞きに行ったとそうだ。 「やっぱりそこはちゃんとコミュニケーションを取りながらやっていきたいです。『どうしてですか?』という問いのフィードバックはあって、理由もちゃんと教えてくれます。私自身も聞いた方が納得するので、言葉が通じなくても積極的に聞くようにしています」(谷村) 同じバスケットでも所変わればスタイルも変わる。ただ、試行錯誤の日々ではあるものの、この大きなチャレンジには「充実しています」と、谷村は笑顔を見せる。チームのチーフマネジャーで通訳を務める黄美憂(ファン・ミウ)さんは大学まで日本でプレーしており、そうした日本のバスケットも知るスタッフの存在も大きい。「チームの施設もいいし、異国ですが不自由なくやれていて、オフもリフレッシュしながらバスケットができています」と、語る。 チームは10試合を戦って2勝8敗(11月30日現在)と苦しい状況ではある。谷村自身も練習中の足首のケガにより、11月は4試合を欠場。11月30日の試合には復帰したが、勝利とはいかなかった。 6チームが6回総当たりで戦うレギュラーシーズン。出場した6試合で1試合平均で12.33得点4.8リバウンドをマークする谷村は、リーグ優勝7回を誇る名門チームの反撃に必要な選手だ。チームの、そして彼女の今後の巻き返しに期待したい。 文・写真=田島早苗
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