阪神また流出危機 スアレスをメジャー複数球団が調査 5日ベンチ外れる
「阪神8-7ヤクルト」(5日、甲子園球場) 阪神のロベルト・スアレス投手(29)が5日のヤクルト戦でベンチから外れた。すでにセ・リーグ最多セーブのタイトルを確定させている同投手には、メジャー複数球団が獲得へ向け調査を行っている。最悪の場合、昨年のドリス、ジョンソンに続き、このまま登板することなくメジャーへ流出する可能性が出てきた。 【写真】昨季大活躍のPJ パドレスのユニホーム姿で笑顔 最大で6点あった点差をひっくり返し、阪神1点リードで迎えた九回裏。マウンドに上がったのは、守護神スアレスではなく、岩崎だった。試合前の練習には普段通り参加していたスアレス。実はこの日、ベンチ入りのメンバーからは外れていた。 野手ではマルテ、サンズがベンチ入り。投手はエドワーズ、ガンケルが入り、実際にその2投手は試合で登板した。単に3、4日に続くスアレスの3連投を避けるための措置とも考えられるが、一方で阪神にとっては“最悪のケース”を憂慮しなければならない可能性も出てきている。 前日までに24セーブを挙げセ・リーグ最多セーブの座を確定させた助っ人右腕には、複数のメジャー球団が興味を示し、すでに獲得調査を開始。本人も昨年オフにはアメリカ行きを画策していたように、非常にメジャー志向が強いことで知られている。 昨年オフに推定年俸8000万円でソフトバンクから阪神入り。故障離脱した藤川に代わってクローザーに昇格すると、最速161キロの直球を武器に、ここまで50試合に登板し、3勝1敗、24セーブ防御率2・28と絶対的守護神の座を不動のものとした。 昨年はセットアッパーとして大活躍したジョンソンが阪神を退団し、2年総額500万ドル(約5億5000万円)でパドレス入り。チームの14年ぶりとなるポストシーズン進出に貢献した。 同じく4年間在籍したドリスも単年100万ドル(約1億1000万円)でブルージェイズへ移籍。こちらもチームをポストシーズン進出へと導き、推定年棒150万ドルで来季の残留を勝ち取っている。 もちろん来季保留者名簿提出期限となる11月末まで、阪神はスアレスのメジャー流出阻止へ向け、複数年の契約を示すなど全力で慰留していくとみられる。一方で本人の意向次第では、残り3試合で登板することなくシーズンを終え、最悪の場合、そのまま退団という流れとなる恐れも。藤川も不在となる来季へ向け、“勝ちパターン”を再整備する必要に迫られる可能性が出てきた。