バイデン勝利で相場は大転換点を迎えたのか?「グロース株」「バリュー株」の動きと打ち手を考える
米国大統領選挙の結果を受けて、グロース株の株価が低迷、バリュー株が騰勢を強めています。この先の相場が下落に転じる可能性がある場合、どのような打ち手が考えられるのか? 複数のインデックスを分析しながら考えてみましょう。
大統領選挙後の株価の変化に注目
GAFAやFANGなどと呼ばれる大手IT企業が長く米国株式市場をけん引してきました。これらの銘柄群はグロース(成長)株と呼ばれます。しかし、11月の大統領選挙を過ぎたあたりからその勢いに陰りが見え始めています。グロース株の株価が低迷する中で逆に騰勢を強めているのがバリュー(割安)株です。もしかすると相場は大きな転換点を迎えているのかもしれません。
「グロース株」「バリュー株」とは?
グロース株とは将来の成長性が期待される銘柄であり、売買を伴う人気銘柄となることがあります。また、EPS(1株当たり利益)やPBR(株価純資産倍率)などで見ると割高なケースが多いのが特徴です。バリュー株とはEPSやPBRなどで見た場合にグロース株と比べて相対的に割安とされる銘柄です。長期的にはグロース株が優位な相場とバリュー株が優位な相場があるとされ、グロース株やバリュー株で構成された株価指数によってその動向を見ることができます。
このような株価指数はスタイルインデックスと呼ばれており、運用を行う際のパフォーマンス評価のベンチマークとして利用されています。たとえば、グロース株で運用を行っているファンドがあったとして、そのファンドの運用成績が市場全体と比較してどうだったかを測るのは必ずしも合理的ではありません。仮に市場全体よりもパフォーマンスが良かったとしても、単純にグロース株が優位な相場環境だったから、という可能性もあるからです。そこで、グロースやバリュー、大型・中型・小型などの観点で作られたスタイルインデックスとの比較で、ファンドのパフォーマンスが良かったのか、悪かったのかを判断するという用いられ方をします。
米国にはラッセル1000指数という大型株で構成された株価指数があります。この株価指数のスタイルインデックスとして、グロース株で構成されるラッセル1000グロース指数、バリュー株で構成されるラッセル1000バリュー指数があります。10月末時点でラッセル1000グロース指数の上位構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベットであり、対してラッセル1000バリュー指数の上位構成銘柄はバークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェース、ジョンソン&ジョンソン、ウォルト・ディズニー、ベライゾン・コミュニケーションズとなっています。