高額報酬をえさに「闇バイト」、恐怖におののく日本…韓国人記者が求人担当に接触してみると
「脱税で汚染されたカネをあなたに送金します。それを別の口座に送るだけで送金額の10%が報酬になります」。今月17日、日本のSNS(交流サイト)に「30万円、すぐに稼げます」という短期アルバイトの募集が投稿された。記者がメッセージを送ると1時間後に返信があり、「外国人も可能ですか」という問いには「口座があれば大丈夫です。ただし本人の口座だと凍結される恐れがあるので、別名義の口座を購入できる業者を紹介します」と返答があった。 【写真】韓国人記者と闇バイト求人役がやり取りしたメッセージの内容
最近、日本のSNSには高額報酬を餌にした違法アルバイト広告があふれ、日本全体が恐怖に陥っている。NHKなどが報じた。記者が提案された資金洗浄系の金融犯罪をはじめ、過激なものでは強盗や殺人などの強力犯罪の依頼がXのようなSNSで広がっているのだ。これらのアルバイトは「闇バイト」と呼ばれている。 NHKによると、今年8月から今月初めまでに首都圏で発覚した「闇バイト強盗」だけでもおよそ20件に上る。今月2日には、闇バイトに携わる20代の若者が東京のある住宅に窓を割って押し入り、70代の住人をテープで縛って現金を奪って逃走した。横浜では先月、闇バイト犯罪集団が20万円を盗むために75歳の男性を殺害した。 闇バイトは通常、最初の依頼人から、犯罪を総括する「指示役」、SNSで人を集める「仲介役」、直接犯罪を実行する「実行役」など、多いときは4段階以上を経て進められることが分かっている。セキュリティが徹底していることで有名なテレグラムのようなモバイルメッセンジャーで通常の連絡をやりとりするという。互いに顔はおろか実名も知らないケースが多く、一人を捕まえても他の加担者を追跡するのは難しい-と日本メディアは伝えた。 日本の警察は、合同捜査本部を設置して捜査に力を注ぐ一方、犯人らの主な年齢層である20代を対象に「怪しい求人には応じず、もし応じたのならすぐに警察に通報してほしい」と呼び掛けている。実際に最近、日本の首都圏で逮捕された闇バイト加担者40人のうち27人は20代だった、とNHKは報じた。警察庁のX(旧ツイッター)のアカウントには今月14日、「必ず捕まえる。逃亡は不可能だ」として、闇バイトの募集役を狙った異例の警告メッセージも掲載された。 政権与党の自民党も最近、党内に対策調査会を立ち上げることにしたという。14日に共同通信が伝えた。内閣もまた、近々対策を打ち出す方針だ。住宅の防犯設備のための補助金を拡充して国民の不安を和らげ、検挙者から押収したスマートフォンから他の加担者まで追跡できるようにデジタル鑑識技術を高度化する案などが含まれるという。