日銀・黒田総裁会見12月19日(全文2完)消費増税の影響は前回より小さい
気候変動の影響をどう考えるか
テレビ東京:ありがとうございます。テレビ東京の【*** 00:35:04】です。お伺いしたいのは最近、地方銀行の間で出ている議論で、気候変動に関する議論なんですけども、フランス中銀のヴィルロワ・ド・ガロー総裁が、フランス中銀として気候変動問題のストレステストを実施するという方針を打ち出してるかと思います。一方で、欧州中銀ECBのラガルド総裁が、いわゆるグリーンQE、気候変動の抑制に役立つ【サイ***トウニツイテ 00:35:38】の対象にするというようなご発言があったりしてると思います。それらの動きについて総裁としてどうご覧になっておられるのかという点。および日本銀行として、例えば考査の対象に判断するかどうかというような点も含めて、お話を伺いできればと思います。以上です。 黒田:この気候変動の問題、特にそれが実体経済や金融システムに与える影響ということについては、最近中央銀行あるいは金融規制当局の間で関心が高まっておりまして、国際会議などのテーマとして取り上げられる機会も増えております。またこの関連で、気候変動の金融機関のリスクについて検討するグループ、NGFSというグループがあるんですけども、このグループに最近日銀も参加いたしました。これはこういったNGFSその他のいろんな国際会議への参加を通じて、各国の分析方法や知見を参考にしながら気候変動リスクについて、理解を深めていきたいということであります。 ご承知のように欧州の中央銀行総裁はかなり気候変動のリスクについてストレステストであるとか、その他いろんなことを幅広く検討していく必要があるということをおっしゃってるわけでして。ただその一方で、中央銀行自体が気候政策、クライメートポリシーっていうか、気候変動に対する緩和策とか、あるいは適用策といったことをそういった政策を中央銀行が策定するわけではなくて、あくまでもそれは政府や議会の役割ですねっていうことも欧州の中央銀行総裁の中にはおっしゃる方もおられるのでですね。 私は強い関心を持つということも必要であるし、他方であくまでも中央銀行としてはそれが金融機関のリスクにどのような影響を与えるのかっていうことをよく見ていきたいということであって、気候変動自体、気候変動に対応する対応策とか、そういうもの自体をその中央銀行が検討するっていうことではないということは、皆さんの共通認識ではないかというふうに思っています。