「完全栄養食」BASE BREADは、第二のカロリーメイトになれるのか 成長鈍化の打開策を聞く
多くのコンビニで「完全栄養食」をうたう商品「BASE BREAD」を見かけるようになった。食品における炭水化物、たんぱく質、脂質などの表記は一般的だが、BASE BREADは亜鉛やマグネシウム、ビタミンB12といったように、栄養素の含有量を細かく表記している。 【画像】こういうのが20~40代に受けている! BASE BREADの商品群、同じコンセプトのパスタ、総菜パンのシリーズ(計4枚) 同製品のヒットによって、販売しているベースフード社の業績は急成長を遂げた。一方で、今期(2025年2月期)は成長が鈍化しており、コンビニ以外への販路開拓もあまり進んでいない。今後はどのように市場を開拓していくのだろうか。同社のマーケティングや小売店向けの販促担当者に方針を聞いた。
ファブレス企業として、クラウドファンディングから始まった
ベースフードはDeNA出身の橋本舜氏が2016年に設立した企業である。「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」をミッションとしており、売り上げの9割を占めるBASE BREADが主な商品だ。 BASE BREADは、パッケージにパンの見た目を印刷しており、小売店ではパンやプロテインバーなどと一緒に陳列されることが多い。チャネル別では自社ECでの定期購入が大きなウェイトを占め、主な購入層は健康に気を使う20~40代の若年層だ。 同社は工場を持たない「ファブレス企業」として、もともとは「完全栄養パスタ」をうたう「BASE PASTA」のクラウドファンディングから始まり、2017年に「Amazon」及び自社ECでの販売も開始した。
全国のコンビニのうち、8割で販売
同社が注目されるきっかけとなったのは、2019年に発売したBASE BREADである。実店舗では2020年に薬局での販売を開始し、翌年からは都内のジム及び全国のコンビニでの販売も始まるなど、一般消費者の目にとまる機会が増えていった。 「ECではまとめ買いが基本ですが『1袋だけ試したい』というニーズもあり、そこを開拓する目的でコンビニへの卸売を始めました。中でもオフィス街の方がBASE BREADのニーズに合致していると考え『ファミマ!!』で販売したのが最初です」(ベースフード担当者) ファミマ!!は、路面店や郊外を基本とする通常のファミリーマートと異なり、オフィス街に出店する業態だ。オフィスワーカーを主なターゲットとしており、広々としたレイアウトや開放感のあるデザインが特徴的である。ファミマ!!でBASE BREADを販売したところ反響が良く、その後はファミマの通常店、さらにセブン-イレブンやローソンへの卸売も開始した。現在では全国のコンビニの8割以上に商品を供給している。