「お天気=女性」「スポーツ実況=男性」アナウンサーの男女ステレオタイプをどう乗り越える?“お天気おにいさん”直川アナにきいた
白川プロデューサー 「直川さんは今『ゴジてれChu!』のお天気を担当されています。お天気担当というのは、女性アナウンサーがやることが多かったわけじゃないですか」 直川アナ 「福島県内でも、男性アナウンサーで天気のキャスターをしているのは私だけなんですよね。気象予報士さんが男性なことはありますけど、気象予報士の資格を持っていない、天気を伝えるキャスターになる人は、私、男性が今思い浮かばないです」 白川プロデューサー 「他に、男女で分かれているアナウンサーの仕事って、どんなものがあるんですか?」 直川アナ 「スポーツ実況。それこそ、日本テレビの郡司さん、あと福島中央テレビでいうと、昔は大野智子アナウンサー、今だと今野花織アナウンサーはスポーツ実況にこれから携わっていこうとしているので、ちょっとずつグラデーションが変わってくる時期なのかなと思っています」
■「カミングアウトしなくてもいい」アイデンティティーを尊重する社会へ
白川プロデューサー 「僕はLGBTQでいうとGのゲイ、男性同性愛者であるということを5年前に公表して仕事をしているんですけれども、直川さんはご自身の性自認や性的指向についてきかれたらどのように答えているんですか」 直川アナ 「私は『答えない』というふうに答えているんですね。白川さんも含めていろんな方が答えてらっしゃるのもいいと思うんですよ。すごく素敵なことだし、周りの人の理解も深まると思うんです。その一方で、組織とか社会の中でそれを答えない、つまりカミングアウトしない人をたたえたかったから、私は答えていないんです」 白川プロデューサー 「僕の場合は男性のパートナーと今暮らしているので、その中で具体的な困りごとを解決するとか、それぞれの両親にどう説明するかというときに、ゲイというアイデンティティーが一番しっくりくるのと説明が早いので、そうしているんです。でも、どういうアイデンティティーだったとしても、それを開示する必要というのは必ずしもないというのは僕も同じ意見です」 直川アナ 「この間ロケに行った先で若い方に聞かれたんですよ。『どっちなんですか?』って」 白川プロデューサー 「何と何の“どっち”なんでしょう…」 直川アナ 「キャラクターもあって、ききやすい存在だと思うんですよ。でも、どれだけ近い存在であっても入り込んじゃいけない領域ってあると思うんです。そんな質問を初対面の私に言う人がいるんだってびっくりしました」 白川プロデューサー 「マイノリティー性がありそうで、なおかつそれをポジティブに表現している人を見ると、『きいていいんでしょ』みたいな感じになりそうですが、『そうじゃないぞ』というメッセージとして答えていないんですね」