燃料高騰で将来の車選びはどうなる?電気自動車の課題と未来は?
ガソリン価格は現在、国の補助金により、価格が落ち着いているものの、原油価格自体は高止まりしていて今後、先行きは不透明な状況です。そんな中、注目されているのが、ガソリンを必要としない電気自動車、EV車です。将来を見据えた選択肢になり得るのか、県内事情を取材しました。 通勤や送迎、買い物など、私たちの生活に欠かせない車での移動。 ガソリン価格の先行きが不透明な中、電気自動車が注目されています。 試乗しているのは、BYD社製のEV車です。 BYDは中国のメーカーで、2022年度は全世界で91万台を販売、アメリカのテスラ社に次ぐ売り上げ規模を誇ります。 日本国内にも準備中のものも含めて約50店舗を展開し、2023年8月に鹿児島市に進出しました。 元々、バッテリーのメーカーで部品の8割が自社製ということもあり、テスラ社と比較すると、価格が安いことが魅力のひとつです。 EV車は自宅に専用の電源を設置し、充電します。 この車の場合、1回の充電で400キロの走行が可能で、電気代は時間帯にもよりますが、1000円から1500円だそうです。 この店舗では、これまでに約30台を販売し、さらに県内企業数社が導入を検討しているそうです。 注目されるEV車ですが、経済の専門家は、県内への普及について次のように話します。 九州経済研究所・福留一郎 経済調査部長 「鹿児島は離島、遠隔地多く、輸送コスト考えると、EV車の魅力や使い勝手、機能が発揮できる要素ある。例えば、スマートフォンで分かる通り、10年、5年くらいでがらっと状況変わる。将来はかなり予想以上のスピードで加速していくこともあり得る」 走行時に二酸化炭素を排出しないEV車。 「脱炭素社会」を目指す行政も後押ししています。 国の補助金に加え、県も2023年度、離島向けのEV車の購入に1台あたり20万円の補助金を支給しました。 県内で新たに購入されたEV車や水素自動車などの割合は、2020年は全体の0.3%にすぎませんが、県はこれを2030年までに20%に引き上げることを目標としています。 では、導入に向けてどんな課題があるのでしょうか。 桜島サービスエリアでドライバーの声を聞いてみました。 奄美市から県本土を訪れたこちらの夫婦はレンタカーでEV車を利用しています。 九州自動車道桜島パーキングエリア 奄美市在住の利用者 「将来的にはいいかなと。金銭的な問題はある。補助金があれば」 充電中のEV車。 利用者の男性は山口県からやってきました。 鹿児島までの約500キロで4回充電が必要だったそうです。 山口県から来た利用者 「充電スポットをよく確認して乗らないと電池切れを起こしてしまう。どこで充電できるか調べて計画的にドライブするのが注意点」 一方、ガソリン車のユーザーは。 鹿児島市在住のドライバー 「電気自動車がよく分かっていない。どういう風に充電できるのか遠出するときに分からない」 浮かび上がってきた課題は同じタイプのガソリン車と比較すると、比較的高価であること、そして1回の充電で走行できる距離が短いことです。 課題はあるものの、今後、EV車のさらなる技術の進歩に期待が高まります。 物価高騰で家計の負担が大きくなる中、ガソリンの価格を気にせずにハンドルを握る日は、そう遠くない未来なのかもしれません。
鹿児島テレビ