「求心力が急速に低下」萩生田光一氏、都連会長辞任の裏にあった「包囲網」…自民党の結束力にも “ほころび” が
「指揮をとった私の責任は大きい。会長を引き、新体制のもとで来年の都議選と参院選に臨むことを決めた」 7月16日、自民党の萩生田光一前政調会長はこう語った。7月7日におこなわれた東京都議補選で、9選挙区のうち8選挙区に自民党公認候補を擁立したものの、2議席しか獲得できず、萩生田氏の地元・八王子でも自民党候補が大敗したことを受けて、都連会長の辞意を表明したのだ。 「補選は、政治資金パーティー裏金事件の影響が尾を引き、当初から苦戦が予想されていました。萩生田氏自身も、2728万円が政治資金収支報告書に不記載だったことが判明しており、2024年4月に『党役職停止1年』の処分を受けています。 しかし、都連会長は党本部の役職ではないためそのまま続行、6月に再任されていました。萩生田氏は後任が決まるまで会長を続けます」(政治担当記者) 表向きの辞任理由は「補選惨敗の責任をとって」だが、かなり以前から「萩生田包囲網」は狭まっていたという。自民党関係者がこう明かす。 「2022年7月の参院選の公示直前、自民党公認候補だった生稲晃子さんと旧統一教会(世界平和統一家庭連合)のイベントに出席したことが報道されました。それ以前から萩生田さん自身が足しげく旧統一教会の会合に出席していたことも明らかになり、これがずっと尾を引いているんです。 公明党の支持母体である創価学会の方々から、『萩生田さんは応援できない』と批判の声が上がり始めたのです。もともと萩生田さんは選挙に強くありませんから、創価学会の票が見込めないと厳しい戦いになります」 旧統一教会との親密な関係、そして裏金問題。萩生田氏の求心力は急速に弱まっていた。 「八王子市は『オール八王子』と言うほど自民党の結束力が強い地域です。それが、ここ数年で “ほころび” が目立ち始めました。萩生田さんは後援会会長から『都連会長を退け』と進言されていましたし、萩生田さんの『子飼い』とも言われた方が、都議補選の直前に対立候補陣営に寝返ったりもしました。 また、9年にわたって萩生田さんの秘書を務めた八王子市議が酒気帯び運転で逮捕され、辞職したこともマイナスでした。求心力の急速な低下が露呈している格好です」(自民党都連関係者) 後任については、記者団に「来月(8月)の早い時期に支部長常任総務会を開催し、並行して役員選考会を設置して、できるだけ早く選考したい」と語っている萩生田氏。自民党内部からは、「都連会長辞任は遅きに失した」という声も聞こえるが――。 9月の自民党総裁選直後に総選挙がおこなわれる可能性も報じられている。生き残りをかけた萩生田氏の苦しい戦いは続く。
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