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インド洋の高水温が原因か 7月台風ゼロ 8月も豪雨に警戒

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産経新聞

 7月の台風について、気象庁が昭和26年に統計を取り始めて以降、初めて発生ゼロとなった。日本から数千キロ離れたインド洋の海面水温の上昇が原因という。海水温の上昇はほかにも日本列島の豪雨や異例の長梅雨、中国各地で水害をもたらした豪雨の発生にも影響を与えたとみられている。8月は一転して猛暑が予想され、気象庁は熱中症のリスクが高まるとして注意を呼びかけている。(荒船清太)  気象庁によると、26年以降、台風は年間14~39個発生。そのうち7月は最大8個発生するなど集中的に発生する月間でもある。ところが今年は5月12日に台風1号、6月12日に台風2号が発生した後は途絶えた。  3号が発生したのは8月1日午後3時で、ベトナム近海にあった熱帯低気圧が台風に変わった。3号の発生日時としては過去2番目に遅く、気象庁関係者は「異例の状況」という。  気象庁によると、台風が発生しない直接の原因は、発生区域であるフィリピン近海に太平洋高気圧が張り出し、下降気流が生じて台風のもとになる雲が発達しなかったから。さらにその状況には、インド洋の気象が影響を与えていた。  インド洋では今夏、海面水温が平年より高い。昨秋、インド洋の東側と太平洋中部の赤道付近で海水温が上昇した影響が残った可能性がある。高い海水温はその海域に上昇気流を生み出す。インド洋で発生した上昇気流によって、フィリピン近海からインド洋側に風が吹き込み、その連鎖でフィリピン近海に下降気流をもたらしたのだという。  気象庁異常気象情報センターの中三川浩所長によると、こうした大気の状態は、今夏に発生したさまざまな異常気象の“犯人”の一人でもあるという。  7月3~14日の九州を中心とした豪雨や、7月下旬以降に梅雨明けがずれ込んだ原因の一部も、太平洋高気圧の張り出しが原因。海面から立ち上がった大量の水蒸気が風に乗って太平洋高気圧の西側の縁を回り込み、今度は偏西風の蛇行で日本列島付近で停滞していた梅雨前線に直接ぶつかることで、豪雨と長梅雨をもたらした。  日本だけではない。この大量の水蒸気は中国でも6月から梅雨前線にぶつかって豪雨となり、多くの死者・行方不明者が出る災害をもたらしたようだ。  気象庁の地球環境・海洋部によると、8~10月は地球全体で気温が高いという。日本列島も8月は全国で平均気温が平年より高くなる見込み。台風も今後、大量に発生する恐れもあるという。  中三川所長は、地球温暖化が今夏の一連の異常気象にどこまで影響したかは調査中としながらも、「集中豪雨の頻度や熱波が増えているのは地球温暖化の影響といえ、今後も警戒が必要だ」としている。

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