「疲れたときにチョコレート」は危険すぎる…甘い物がほしいときに口にすべき"身近な食べ物の種類"
自律神経を整える食習慣は何か。自律神経専門整体師の原田賢さんは「疲れた時に突然チョコレートなどの甘いものを食べたり、頭をスッキリさせるためのコーヒーなどのカフェインも自律神経によくない。空腹時には自律神経にとって良いバナナやさつまいもを食べ、カフェインを断つといい」という――。 【図表】血糖値が急激に上がるチョコレートや甘いお菓子は要注意 ※本稿は、原田賢『忙しいビジネスパーソンのための自律神経の整え方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。 ■水の摂取が毎日1リットルなら、内臓の衰弱を疑う 1日にどのくらいの水分を摂取していますか? みなさんにこのような質問をすると、「たくさん飲んでいます。1リットルは飲んでいますよ」という答えが返ってくることが多いのですが、残念ながら1日の水分摂取量としては足りていません。 1日に必要な水分摂取量の目安は最低1.5リットル。適正量は2リットルくらいといわれています。 私の整体院では内臓調整の施術を行っているのですが、その経験からお話しすると、自律神経の不調を訴える方のうち、水分摂取が1日1.5リットルに達していないと、内臓全般が弱っている傾向があります。 自律神経の乱れる仕組みからも、内臓が弱ると、自律神経は乱れていきます。 ところで「内臓の働きが悪い原因は水分にある」という考え方をご存じでしょうか? 代表的な水分を必要とする器官が胃です。食べたものが胃で消化され、その後いろいろな臓器の中を運ばれていきますが、その際に水分が必要となります。 内臓の働きが良い時とは、副交感神経が働いている時で、内臓の働きが良くない時は、交感神経が活発な時です。
■内臓が弱ると不眠も誘発する 内臓と自律神経は相関関係にありますので、内臓が弱っていることによる自律神経失調の症状として、胃の痛みやむかつき、食欲不振、下痢と便秘、ガスがたまりやすい、疲れがとれない、皮膚疾患、頻尿、冷え、火照り、むくみなどがあります。 そして、これは意外と知られていないことですが、不眠も内臓が弱っていることにより起きます。 水分不足を理由に弱っている臓器は、水分を1.5リットル摂取すれば、働きが回復していきます。そんなに飲めるか不安だと思う方は、1時間にコップ1杯分、200ミリリットルを飲むと考えてください。 それを8時間で8杯飲めば、200ミリリットル×8杯で1.6リットルになります。意識的に補給をすれば、そこまで難しい量ではないのです。これらの症状に当てはまる人は、ぜひ、積極的に水分補給をしていきましょう。 ■自律神経によいのはチョコレートではなくこの食べ物 空腹時に、チョコレートや甘いものをいきなり食べていませんか? 意外と見落としがちですが、チョコレートにはカフェインや糖分、油脂が多分に含まれています。 私の会社員時代には、夕方になって疲労も少したまり小腹が空いてくると、チョコレートを食べたり、気づかいで周囲に配ったりしているという光景がよく見られました。 「疲れた時には甘いもの」という言葉をよく耳にしますが、疲れた時に突然甘いものを食べてしまうと、血糖値が急上昇します。血糖値が急上昇すると、下げるためにインスリンという物質がつくりだされます。 インスリンが分泌されると血糖値が下がるようになっているのです。こうして人は血糖値をコントロールしています。インスリンをつくりだし分泌するためには、すい臓と肝臓が働きます。 すい臓は消化を司る臓器で、肝臓は疲労物質や毒素の分解を行う臓器です。これらの臓器が血糖値を下げるために頑張りすぎて弱れば、消化吸収が悪くなり、疲労がとれないということが起こります。 すると他の臓器も弱りやすくなり、自律神経の乱れにつながるのです。仕事中のチョコレートや甘いお菓子をやめることが必要です。 自律神経にとって良い食べ物として、バナナやさつまいもが挙げられます。これらは血糖値が上がりにくいとされていますから、お勧めです。 チョコレートなどの甘いお菓子よりもむしろお腹にたまりやすいですし、甘いものを摂取したという満足感も得られて良いでしょう。