「2軍で野球ができるのかすらも不安」現ドラで「天下の」ソフトバンクへ移籍してきた長谷川威展 毎回のマウンドで貫いた覚悟
ソフトバンクの長谷川威展投手(25)が6日、福岡市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1730万円増の年俸2500万円でサインした(金額は推定)。長谷川は「ちょっとだけ(リーグ優勝に)貢献できたのかな」とはにかんだ。 ■1時間20分の長期戦、リチャード2度目の交渉は?【6日の契約更改一覧】 昨オフに現役ドラフトで日本ハムから移籍してくると、今季は貴重な左の中継ぎとして、32試合に登板し、防御率2・49、4勝0敗6ホールドと安定した成績を残した。 「天下のソフトバンクホークスに入団するのは『試合に出られるのか』という不安もありましたし、2軍で野球ができるかすらも不安ぐらいの気持ちで過ごしてました」。現役ドラフトで移籍が決まったとき、育成選手を含めて100人強がひしめくソフトバンクで活躍できる未来は想像できなかった。 それでも「投球自体はすごく安定してきていた」と、日本ハム時代につかんだ感覚を信じて投げ続けた。マウンドでも人一倍、気合いを入れた。「投げるときは『今日で2軍に落ちる』、『これ以降、1軍に上がれなくても後悔しない投球をする』という覚悟で1試合1試合投げた」。そうしてビハインドの場面でもしっかりと結果を残し、着実に首脳陣からの信頼を得ると、シーズン終盤以降は試合の大事な場面での登板も増えていった。 長谷川が「ターニングポイント」としたのは、9月8日の西武戦(みずほペイペイドーム)。1点リードの7回に3番手の大山凌が二つの四球などで2死一、二塁とされた。長打が出れば勝ち越されるこの場面で、長谷川は4番手としてマウンドへ上がると、源田壮亮を空振り三振に切りピンチを乗り越えた。「他に左の投手がいなかったというだけで、もう1人いたら本当にどうなってたか分からない。運が良かっただけだと思ってる」とサウスポーは振り返る。 来季は「キャリアハイの成績を残す」と、目標を掲げた。「登板数、防御率、奪三振数、WHIPから被打率から何から何まで、全体的に数字が上がった1年にしたい」。移籍先で見つけた生きる道をひたすらに進む。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社