北陸のローカル線を描く 誠実に仕事する鉄道マン「いとおしく」 大野の女性編集者が書籍発売
FBC福井放送
新幹線開業によってJRから引き継がれた、北陸3県のローカル線にスポットを当てた書籍が出版されました。大野市の編集者が利用者目線で手掛け、今の北陸への鉄道旅へといざなっています。 全国の書店で発売が始まった『受け継がれたローカル線』。四季折々の北陸3県を走る地域鉄道とともに、それぞれの駅も登場します。 沿線人口の減少や設備の維持などの課題を抱えながらも、地域に根ざし愛され続ける路線へ生まれ変わろうと努力するローカル線の姿を描き、鉄道会社が記事を監修しています。 ライター兼編集者として携わったのが、大野市の佐藤実紀代さんです。企画の後に能登半島地震が起こり、取材は被災地に及びました。 ■ライター・編集 HOSHIDO 佐藤実紀代さん 「私たちも穴水駅まで行ったが、ホームが波を打ってしまっている状態とか、駅舎が屋根が落ちているとか、ブルーシートかかっている状態だが、鉄道は動いているというのを目の当たりにした時に」 「地元の方のためになんとか動かしたいという鉄道会社の思いが伝わって、これを誰かに伝えないといけない決意にもなった取材だった」 さらに、本には能登半島地震の被害を受けながらも、地に足をつけて生きていく地元の人の姿を描いた小説も書き下ろされ、今の沿線の様子をありのままに伝えています。佐藤さんは利用者目線を大切にしながら、記事や本のデザインを進めました。 ■佐藤さん 「まちの風景の一部には欠かせないものだと思ったし、自分たちの足が途絶えないようにしてくれている陰で、鉄道の会社が誠実に対応して仕事している姿を感じた上で乗ると、違うと思って愛しくなる。走っている姿がかわいいとなってくる不思議な感覚でした」 ローカル線の魅力が詰まった一冊を北陸観光のお供に。本の収益の一部は、能登半島地震の復興支援に役立てられます。