八村塁の批判、日本協会の三屋会長は一定理解「選手が意見を言うのは健全」「彼の権利」コミュニケーション強化で改善へ「溝を埋めるよう努力」
バスケットボール男子日本代表のエースでNBAレーカーズの八村塁(26)が、日本協会と男子日本代表のトム・ホーバス監督を批判している問題で、日本協会の三屋裕子会長(66)が30日、都内で初めて取材に応じた。「選手が安心してプレーできる環境をつくるのが我々の仕事だが、(騒動で)今ざわついている状態。一連の出来事で、我々としてはコミュニケーションについて見直し、改善しないといけないところが、ここ数日の検証で見受けられた」とし、今後、協会として海外選手との一本化した連絡窓口を設置する考えを明かした。 日本代表のエースによる協会や監督批判は大きな波紋を呼んでいるが、三屋会長は規律で禁じるような考えはないといい、「選手が意見を言うっていうのは、私は健全だと思っているので。それを規律やルールで押さえるのは(不健全)」と、一定の理解を示した。 また、協会トップとしての見解を示すまでに騒動発生から2週間以上を要したが、「組織のトップとして発言するのは重い。(今回の騒動は)不祥事かといえば違うし、コンプライアンス違反でもない。会長として、どういう立場で何を言うか、今回は私自身も珍しく悩んだ」と苦悩を明かした。 ただ、28日には元NBAプレーヤーでもあり日本代表の渡辺雄太(千葉J)が一連の騒動や問題解決に向けての思いを述べた。この“男気”会見も受け、三屋会長は「八村選手が発言するのは当然彼の権利だし、渡辺雄太選手があれだけ覚悟を持って発言してくれて、私ができることは、ここでしっかり組織としての考え方をお伝えして、彼らがバスケットに集中できる環境をつくることだと(考えた)」と、沈黙を破るに至った経緯を説明。「彼(渡辺)が言っていたように、コミュニケーション不足があったことを再度受け止めて、(今後は)齟齬がないように。丁寧に(選手に)個別に対応して、少しでも溝を埋めることができるように最大限我々(協会)が努力すべき」と述べた。