「まるでオーガスタ!?」ゴルフ場の真っ白でサラサラなバンカー… あの砂ってどこから持ってきてるの?
バンカーの砂はただの砂ではない
バンカーはゴルフコースの難度を上げ、コース攻略する楽しみを増幅させるために作られています。バンカーに使われている砂は公園の砂場で見かける砂とは異なり、真っ白で粒子が細かく美しいものも多いですが、どのようなものが使用されているのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に聞きました。 【動画】マジでうますぎん? バンカーからでもお構いなし… 完璧なリカバリーとなった鈴木愛の“スーパーショット” これが実際の映像です
「バンカーに使われている砂は、川砂や海砂といった自然に作られたものから、砕石によって人工的に作られたものまでさまざまな種類がありますが、輸送費などの観点から基本的にゴルフ場が立地しているところから、なるべく近い場所の砂が選ばれていました」 「しかし、最近ではマスターズの舞台として知られる『オーガスタナショナルGC』のバンカーに白い砂が用いられていることなどから、影響を受けて石灰石を砕いた砂が広く好まれるようになっています。とくに福島県で産出される『白竜砕石』は、色が美しいだけでなく品質も高く、キレイなバンカーを造るには非常に適しています」 「ただ、白竜砕石は値段が若干高額なのがネックなので、価格を抑えつつ白さも持ち合わせている、愛知県豊田市を中心に産出される『瀬戸砂』や『愛知砂』などもよく使われています」 「また、砂粒の直径が0.1~0.25ミリ程度の細かい砂だけでは硬く締まり過ぎてしまうので、直径0.5~1ミリほどの粗めの砂も混ぜるのが、バンカーに使う砂として最適とされています。そのため、川砂を使用する場合は水で浸食されきった下流域のものより、少し白さには劣るものの粒が大きい上流域のものの方が好まれます」 砂には丸いものと角張っているものの2タイプがあり、前者のみを使うと沈みやすく、目玉ができたり歩きにくくなったりしたりしてしまうことから、後者もブレンドして適度な柔らかさを保っています。 また、白い砂を使うことで、季節を問わずにバンカーが視認しやすいという効果があります。夏は青々と茂ったラフの中に点在するバンカーが緑の対比として目立ち、冬には周りの芝が枯れて茶色くなってもバンカーは同化せず、そのまま存在感が保たれます。また、バンカーを際立たせることで、ゴルファーにプレッシャーを与える狙いもあるようです。