元阪神・ランディ・バースはなぜ野球殿堂入りできないのか?
先日、テレビ朝日が1万人にアンケートを行い「プロ野球総選挙」という番組を放映したが、その中でもバース氏は8位にランクインしていた。同番組はテレビ朝日系の番組でキャスターを務めていた元日ハムの稲葉篤紀氏がなぜか12位にランクインするなど“突っ込みどころ満載”の内容ではあったが、外国人としてバース氏と元巨人のウォーレン・クロマティ氏の2人がランクインしていたのは、“日本野球への貢献度指数”としては、ひとつの目安になるものだったのかもしれない。 今回のバース氏の票の伸びは、阪神時代の功績が再評価なされたものだとも考えられるが、日米の扉が開かれ“二刀流”の大谷翔平がメジャー挑戦する時代である。そろそろ通算記録重点主義に囚われることなく、殿堂入りに関する“鎖国”も解かれていいのではないか。過去に記録という点では見劣りする広島の故・津田恒美氏が選ばれた例もあるのだ。 バース氏以外にも野球史に名を刻み殿堂入りしても不思議ではない外国人選手はいる。 11年間ロッテでプレーしたリー兄弟の兄、レロン・リー氏は、首位打者、本塁打、打点のタイトルをそうなめにした。4000打席以上の生涯通算打率・320は、歴代堂々のトップ。ちなみに2位の打率.31918の若松氏、3位の打率.31915の張本勲氏は、いずれも殿堂入りしている。打率.317で歴代4位につけているのが、元オリックス(阪急)、ダイエーで松井氏と同じく10年間プレーしたブーマー・ウェルズ氏だ。 ブーマ氏も首位打者2回、打点王4回、最多安打4回で1984年には打率.355、37本、130打点で3冠王を獲得している。ブーマもバースと共に2013年からエキスパート表彰候補として復活したが、2015年に7票しか獲得できずに候補から外れた。日本には、全米殿堂のような得票率5%に満たない場合は、翌年から資格を失う、というような明確なルールはないが、得票率の低い候補者は、殿堂の競技者表彰委員会による候補者選びの段階で落とされる傾向にある。 元巨人のクロマティ氏も1989年に打率.378で首位打者となり巨人の優勝に貢献した“歴代最強G助っ人”。 現在、横浜DeNA監督のアレックス・ラミレス氏は、外国人として初めて名球会入りを果たす通算2017本を記録。監督としてもチームを2年連続クライマックスシリーズへ導くなど実績を残しているため殿堂入りの資格を得る2020年度には、事実上、初の外国人殿堂入りとなる可能性が極めて高い。 だが、ラミレス氏が“堅い扉”を開けるのを待つ前に日本のプロ野球を支えてきた“最強助っ人たち”に光を与えてもらいたいものである。