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7試合で2本塁打――なぜ今年の“夏の甲子園”で本塁打が少ないのか? /2020甲子園交流試合リポートVol.7

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週刊ベースボールONLINE

新型コロナウイルス感染拡大のため中止となった今年3月のセンバツ出場32校の「救済措置」として甲子園で開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」。今夏は地方大会と全国(甲子園)も中止となった。特別な思いを胸に秘めて、あこがれの舞台に立つ球児や関係者たちの姿を追う。

2本目はランニング本塁打

「夏の甲子園」の華と言えば空中戦だ。2017年には最多68本塁打(48試合)が乱れ飛び、18年は51本塁打(55試合)、19年は48本塁打(48試合)と「打高投低」の時代が続く。  日本高野連では昨年9月以降、選手の安全対策の一環として、金属バットの性能の見直しに着手している。同夏の甲子園で投手が顔面に打球を受け、骨折したことが契機となった。反発力を低くすることで打球速度を抑える。専門部会を設けて審議している製品安全協会では今年2月、製品試験を報道陣に公開した。早ければ21年春からの導入を目指しているが、今後の試験の進行や各メーカーの供給整備などで、遅れる可能性もある。  さて、今夏の甲子園交流試合は前半日程(7試合)を終えて2本塁打(うち1本はランニング本塁打)と、あまり数字が伸びていない。  その理由は、なぜか。打者の実戦が不足しているのが要因と言える。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国各地の高校では「部活動停止」という現実と向き合ったからだ。  対外試合は毎年、3月8日解禁されるが、今年はほとんどの学校がゲームを組むことができなかった。沖縄(準決勝以降は取りやめ)を除き、春の公式戦(都道府県大会、地区大会)も中止。夏の地方大会、全国大会(甲子園)も中止となり、多くの学校は各都道府県連盟が主催する独自大会が今季初の公式戦となった。6月以降は練習試合を積んできたとはいえ、投手の生きたボールを見る機会は、例年と比べると明らかに少ない。今回の交流試合の7戦を見た限り、外野の間を抜くクリーンヒットも低調である。バットの芯に当たる確率も高いとは言えず、コンディションを整える難しさを露呈しているように見えた。  奇しくも甲子園交流試合第1号は、最も調整期間が短かった県岐阜商高・佐々木泰(3年)だった(対明豊高)。同校では新型コロナウイルスの感染者が出たため、独自大会を出場辞退し、練習再開は7月30日。ほぼぶっつけ本番で臨んだ試合での一発であるから、その価値も高まる。  第2号は加藤学園高・杉山尊(3年)のランニング本塁打(対鹿児島城西高)。右中間真っ二つの鋭い打球で、中継プレーが乱れる間に一挙に生還した。ある意味で、夏らしい打球だった。  さて、後半日程は残り3日間で、18校が登場する。履正社高、星稜高、仙台育英高、明石商高、大阪桐蔭高、東海大相模高、智弁和歌山高など、強力打線が看板のチームが控えている。一気に「本塁打量産」となるのか、興味は尽きないところだ。 文=岡本朋祐 写真=早浪章弘

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