試合前練習を見つめる新井貴浩監督（カメラ・渡辺　了文）

◆ＪＥＲＡセ・リーグ　広島―巨人（１０日・マツダスタジアム） 　広島の新井貴浩監督が、試合前に取材に応じ、１５日のＤｅＮＡ戦（マツダ）の先発で１軍デビューするドラフト１位・常広についての期待を語った。 　「もちろん期待はしているけど、何も考えずに思い切って腕を振ってくれたら、それだけでいいです。常広に限らず、常にみんな投手も野手もチェックしているし、ここでね『いっちょいってもらおうかな』と。面白いじゃん。彼にとっては忘れられないデビュー戦になると思う。どんな結果であろうと、彼にとってこの経験というのはすごい経験だと思う」 　この日の巨人と首位攻防３連戦から３位・阪神、４位・ＤｅＮＡと甲子園、マツダでそれぞれ２連戦と正念場の７連戦に突入する。優勝争いが佳境に差し掛かる中、異例の抜てきだ。今季は２軍１１登板で２勝６敗、防御率４・０６ながら、８日のソフトバンク戦（筑後）で１１６球を投じ、８安打２四球、５奪三振で“プロ初完封”した。 　「もちろん、これからの試合は一戦一戦、大事な大一番が続く。そういう中で彼のデビュー戦をそこに選んだというのは、今年だけじゃなく先の先を見たものもあります。もちろん勝たないといけない試合だけど、今だけを見ず、来年再来年の彼のことを考えて思い切って起用します」 　チームにとっても重要な一戦で、重圧のかかるマウンドとなる。 　「（優勝争いの戦いの中で）馬なりにいっても、というのもある。ファンの方も楽しみにしていると思う」 　初先発初勝利を手にすれば、常広自身にとってもチームにとっても、大きな１勝となる。