りそなHD南社長 住宅ローンビジネス「長い時間軸でライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図る上で非常に重要」 家計に根ざした価値を提供し預金獲得目指す 「金利のある世界」到来で
──いまお話しいただいた「家計に根ざした戦略」の一環だと思いますが、11月半ばに奈良にりそな!n(イン)という新しい形の店舗がオープンしました。商業施設の中に出店し相談業務がメインということで、どういう狙いがあるのかをお伺いします。 お客様の金融行動がかなり大きく変わってきている背景にある一つ大きなものは、やはりデジタル化です。ほとんどのお客様がスマートフォンの中に非対面のチャネルをお持ちになっている状況の中で、我々は元々りそなグループとして地域軸とリテール軸をすごく大事にしている銀行なんですけども、ただこの世の中の変化に応じて、地域の営業店─リアルチャネルがある意味というのがどんどん変わってくる時代にあるというふうに思っています。 十数年前まではお手続きをしていただくためにご来店いただくお客様も非常に多かったですし、お待ちいただく時間も長かったり、店舗でお客様に価値を提供させていただくことが多かったと思うんですけども、今後は地域のお客様に我々が提供できる価値が何かということをもう1回考え直すことが必要なタイミングに来ていると思ってます。 その意味で、リアルと言われている営業店でフェイスtoフェイスでお会いをさせていただき様々なソリューションを提供させていただくという局面と、日常の金融─例えばお振り込みや納税は明らかにデジタルシフトが加速していくというこの大きな流れの中で、リアルとデジタルが融合して、これまでになかったようなお客様への顧客体験、それから価値提供を地域に根ざした営業店とデジタルが一緒になって、どうやって提供させていただくのか。試行錯誤を繰り返しながら時代に合った接点を拡充していく、その第1弾がりそな!n(イン)です。これからもおそらく店舗のスタイルやあり方、地域での存在意義は変わっていくと思いますので、これをまず起点にまた次に向けて新しいチャレンジを始める局面と思っております。