りそなHD南社長 住宅ローンビジネス「長い時間軸でライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図る上で非常に重要」 家計に根ざした価値を提供し預金獲得目指す 「金利のある世界」到来で
■「金利のある世界」で変わる銀行のあり方 ──金利の話で言うと、我々にとってもう一つ身近なものが預金だと思います。いままで“お荷物”だった預金に金利がつくようになったことで各銀行が預金集めに力を入れ始めている中で、りそなグループとしてはどんな戦略を打ち出していく考えですか。 間接金融の中で調達サイドの預金というのは極めて大事な部分でありますし、ここをどうやって粘着性のある安定的な預金を調達させていただけるかということが銀行ビジネスにとって一つも本当に大きなコアとなるところです。 やはり王道は、個人のところについては家計にいかに深く寄り添うことができるかということ。それから法人のお客様のところは、商流の中でりそなグループが提供させていただく様々な商品・サービス・機能をご利用いただくようなシーンをいかに拡充していくのかということが、実は遠回りのように見えて安定的なリテール預金を獲得していくという意味では極めて重要なことだと思っています。もう一度原点に戻って個人の家計、それから法人の商流に根ざした形のビジネス展開を行っていく必要があると思っていまして、これが一つ大きな戦略になってるということです。 それともう一つは、金利が上がっていく局面でどこかでお客様の金融行動が一気に変わって、例えば普通預金から定期預金へのシフトが始まったり、あるいは今まで短いところで運用されてたお客様が比較的長い時間軸の中で定期預金を運用されるというような変化も起きてくると思います。資産運用立国という看板がかかる中、国民の皆様も人生100年時代を念頭にご自身の資産を緩やかなインフレの中でどうやって長期的に運用していくのということに対して圧倒的に意識が高まっている状況だと思いますので、ご預金での運用と、ファンドラップや投信、つみたてNISAなどの運用商品への移行がどんなスピードで広まっていくのかということについてもかなり留意していく必要がある局面だと思ってます。