りそなHD南社長 住宅ローンビジネス「長い時間軸でライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図る上で非常に重要」 家計に根ざした価値を提供し預金獲得目指す 「金利のある世界」到来で
それと私どもは一般事業法人向けの貸し出しが約6割ぐらいで、住宅ローンが4割ぐらいで構成されてるんですけども、いよいよ短プラが上がってきたということで住宅ローンのところにも少しですが上昇基調の波が訪れているということで一つ大きな節目、転換点だったかなというふうに感じてます。 ■住宅ローンビジネスの戦略は ──いまお話にあった住宅ローンですが、多くの銀行では短プラの引き上げに伴い、来年1月以降から変動金利が上昇します。三菱UFJ銀行は優遇幅を引き上げて実質据え置きという戦略を取るなど銀行によって方向性が分かれていますが、今後の住宅ローンの金利競争についてはいかがお考えですか。 これまでも実は金利競争はかなり高かったんですけども、新しく金利環境が変わってくる中で、各社の戦略はプライシングも含めて様々なものが出てくると思います。 我々は住宅ローンを一つの商品としても非常に大事にしてる銀行であります。住宅ローンの魅力をどうやって高めていくか、一つは金利の面もあると思います。それから住宅の価格も上昇をしてきている中で商品性をしっかり見直してきたり、我々の新規実行に占めるペアローンが3割ぐらいなんですけども、ペアローンで団信に入っていただくような商品設定にしたりということで、住宅ローン自体の魅力を高める動きをしっかりやっていくというのが一つの戦略です。 それからもう一つはやはり個人のお客様にとって、住宅を購入されることは人生の中での大きな買い物の一つだと思います。ここをしっかりとサポートさせていただく、長い時間軸で見たライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図っていくということが我々にとって大きな話だと思ってます。 だからリアルとデジタルを融合させて、日常の金融─例えばお振り込みや納税はUI・UXに優れた非対面のチャネルでご利用いただきながら、大きなイベント─例えばご相続の関係や住宅ローンの設定などでは一対一でお客様とリアルでお会いさせていただいて、特別な瞬間をサポートさせていただくというような、長い時間軸の中で物事を考えていくことがこれからの住宅ローンビジネスを展開していく上では非常に重要なポイントではないかなと考えてます。