「SMAPに憧れて今の自分がいる」デビュー30周年の三宅健が語る“後輩たちにしてあげたいこと”
ファンの想いも掬い上げながら、進化を続けたい
自身の美意識、趣向や思考、意思をしっかりと持ちながらも、ファンの想いや時代の流れにしっかりコミットし変容していくしなやかさも持ち合わせる。だからこそ聞いてみたいのは、三宅さんがこれだけは譲れないと思うことについて。 「仕事をするうえで基本的に大切にしているのは、気持ちが動くかどうかということ。逆に言えば、心が動かないものはやりたくないと思っているし、同時に、気持ちのこもっていない仕事はしたくないというふうにも思っています。 それは単純に、これは楽しそうだなとか、苦手そうだなという直感的なこともあれば、楽曲でもライブでも、自分がなにかを制作するうえで、作品としてちゃんと気持ちの入ったものを残したいというこだわりもある。 そこには何より、ずっと応援してくれているファンの方たちへの揺るがない気持ちがやっぱりあって、そういう人たちに喜んでもらいたいというのが最優先みたいなところは、あるかもしれません」 そう言ってから、少し間があって「そこもまた難しいところなんだけどね…」と呟くように付け加えた。 「たとえば、僕のことを長く応援してくれているファンの方々は、これまでの自分……つまり過去の僕自身や過去にやってきた活動を見て、好きだと言ってくれているわけですよね。でも、自分は未来に進んでいるわけで、それが必ずしもファンの方が期待して求めている姿ではないかもしれない、ということは常に考えています。 なかには、新しいものを生み出していくことを、変化と捉えて寂しく感じる人がいるかもしれない。でも、それは自分の中での進化であって、ファンの方たちも一緒に前に進んでいこうよ、という気持ちなんですよね。だからそういう想いに対しても、できるだけフォローできたら、とは思っています」 これまで応援してくれていた人たちすべてを置いてきぼりにしたくない。そう思うのは、それだけ大きなものを受け取ってきた、という実感があるからこそ。 「それは、僕の活動を楽しみに生活していたり、生きがいにしてくれている人たちがいることがわかっているから。だからこそ一方通行ではなく、僕は僕でファンの方々のこと……お互いの人生のことも考えなきゃなって思うんです。それは、後輩に伝えていきたいことのひとつかもしれない。それぞれに築いてきたファンの人たちの関係性というものがあるだろうから、それをちゃんと育んでいってほしいなと思うんです」 新しく歩み出した道は、まだ誰も足を踏み入れたことがない三宅さん独自のもの。そこから見せてくれるであろう景色を楽しみに待ちたい。 三宅 健(みやけ・けん) 1979年7月2日生まれ。神奈川県出身。2023年7月最初のTOBEアーティストとして出発することを発表。表現者として、新たなエンターテインメントの形に挑戦していくこと、そして新たな「アイドル像」を描いていくことを表明した。New Album「THE iDOL」が6月5日にリリース。豪華アーティストによる提供楽曲と進化し続けるKEN MIYAKEの表現力を詰め込んだ表情豊かなアルバムとなっている。公式YouTubeの『KEN MIYAKE』チャンネルにて毎週火曜日21時には『 健ちゃんの食卓』 、毎週木曜日 21時には『三宅健のゆるりと生配信』を配信中。今年6月22日・23日には東京・有明アリーナにて単独コンサート『2024 Live Performance The Otherside : Another Me Presented by KEN MIYAKE』の開催。 後日、Amazonプライムにて配信が予定されている。
望月リサ