東福岡の猛攻を守り抜いた矢板中央がPK戦を制し4年連続で8強に進出!
1月3日、等々力陸上競技場で第99回全国高校サッカー選手権大会3回戦2試合が行われた。第2試合は、1回戦、2回戦とも強豪校との戦いを制した東福岡(福岡)と、初戦となった2回戦を辛くもPK戦の末に勝ち上がった矢板中央が対戦。試合は東福岡の猛攻を堅守でしのいだ矢板中央が0-0からのPK戦の末に勝利をおさめ8強進出を決めた。 【フォトギャラリー】3回戦 矢板中央 vs 東福岡 前試合、東福岡は前半に先制を許し、後半アディショナルタイムに勝ち越し、矢板中央はPK戦の末に勝ち上がるなど、2回戦はともに苦しんだ両チーム。勢いをつけるためにもどちらも快勝したいところ。フィジカルな面では3試合目の東福岡に対し矢板中央は2試合目と、コンディションもやや不安視される東福岡だが、激しい練習や実戦を重ねた経験値でマイナス要素をカバーできる実力を備えているのも東福岡の強みと言える。 ゲームは矢板中央のキックオフでスタート。序盤からコートを幅広く使いバランス良く攻める東福岡に対し、やや引き気味に守備を固める矢板中央という展開に。 すると前半5分過ぎ矢板中央がチャンスを迎える。DF4番島崎勝也のロングスローからゴールを狙うも東福岡のディフェンス陣が落ち着いてクリア。ロングスローからのセットプレーは初戦でも多くのチャンスを演出した矢板中央の武器だ。 サイドアタックを中心とした攻撃を見せる東福岡もすかさず反撃。前半13分過ぎにU-17日本代表のMF7番青木俊輔がシュートを見せるも、矢板中央のGK藤井陽登が落ち着いてセーブしゴールを割らせない。その後も東福岡が再三攻め上がるシーンを見せるものの、組織的な守備を誇る矢板中央は慌てるそぶりを感じさせない。むしろ「こういう展開には慣れている」といった余裕すら感じられるほど。守備からのカウンターでワンチャンスをものにする、いつもの矢板中央らしさも随所に見られる。 前半16分過ぎ、東福岡はコーナーキックからMF6番佐藤聡史が精度の高いクロスを上げゴールに迫るも、矢板中央DF陣が落ち着いてクリア。さらに前半26分過ぎ、ゴール正面でセットプレーのチャンスを得た東福岡は、MF10番の上田瑞希が右足で直接ゴールを狙うも矢板中央の“壁”がこのシュートも弾き返す。 その後も一進一退の攻防が続く中、東福岡は前半アディショナルタイムにMF青木がシュートを放つもGK藤井が落ち着いてクリア。前半をスコアレスで終えた。 矢板中央の堅守に苦戦する東福岡は個の力で打開をはかる 無失点の前半からリズムに変化を付けるべく、矢板中央は後半開始時点でMF9番の星景虎を投入するも、まずチャンスを作ったのは東福岡。後半6分過ぎにドリブルで突破をしたMF青木が右足でシュートを放つもゴールならず。 すると後半12分過ぎ、DF4番島崎のロングスローから矢板中央は好機を生み出すものの、ここは東福岡の守備陣が踏ん張りゴールを割らせない。直後の後半15分過ぎに、逆に東福岡がチャンスを迎える。中央を突破したMF青木がそのままシュートを放つも惜しくもノーゴール。青木は個の力で局面を打開できるグッドプレイヤー。ドリブルからの突破やサイドからの攻めなど、随所にU-17日本代表の片鱗を見せつける。 さらに後半31分、東福岡はゴール前でMF8番岩井啄朗、MF10番上田、MF7番青木が次々にゴールを狙うも、矢板中央はピッチにいる全員が体を張ってゴールを割らせない。その後も東福岡はサイドアタックを中心に波状攻撃を見せるが、矢板中央はDF3番の新倉礼偉らが仁王立ち。GK藤井もファインセーブを見せゴールを割らせない。 試合終了間際、東福岡はPK戦を見据えGK14番の神田翔太朗を投入。前後半を0-0のスコアレスで終了し、試合はPK戦に突入。 PK戦に入ると1人目のMF多田、2人目の新倉が成功した矢板中央に対し、東福岡は2人目のMF上田が矢板中央GK藤井に止められ失敗。すると矢板中央の3人目MF小川も東福岡GK神田に止められる展開に。しかし東福岡は3人目のMF青木、4人目のMF遠藤が立て続けに枠を外して万事休す。2回戦に続いてPK戦を制した矢板中央が4年連続で8強に進出した。 (写真=矢島公彦)