風間俊介、松岡広大らのバチバチ&ヒリヒリの会話劇!舞台『モンスター』東京公演開幕
舞台『モンスター』の東京公演が12月18日、新国立劇場で開幕した。 英劇作家のダンカン・マクミランが2005年に執筆、2007年に英マンチェスターで初演された衝撃作。家族から十分な愛情を受けられず社会に問題児として扱われる14歳の少年と、自身も深い問題を抱える新人教師が対峙することから、大人の子育てと責任、未成年の反社会的な行動といった教育と家族関係を表現する。 東京での最初の公演を控えてフォトコールと取材会が行われ、風間俊介、松岡広大、笠松はる、那須佐代子のキャスト陣と、演出と美術を担当する杉原邦生氏が参加した。 舞台『モンスター』フォトコール&取材会の様子
11月30日に大阪で開幕し、茨城・水戸、福岡と公演を重ね、東京公演の幕が開いた。 手応えはあるかという質問に教師のトムを演じる風間は、「この作品は、これから社会をどう捉えていくのかということに深く切り込んでいる作品。観客席に座ってくださった方々が同じく、この体験をした雰囲気で感激してくださっていることにとても手応えを感じています」 一方、問題児のダリルを演じる松岡は「手応えは個人的には一切なく(笑)。なぜかというと毎回極度の緊張感を持っていて、実年齢からは(ずっと)下の14 歳を演じるということで毎回毎回トライ&エラーをしながらやっています。慢心してはいけないという思いでやっているので手応えはないですが、東京公演でさらに成長できる新しい景色を見られると思うと心踊るので謙虚に邁進していきたいと思います」 劇中には、トムとダリルが目線を合わせて激しく言葉をぶつけあう場面も。また、トムの妻、ダリルの祖母も登場し、それぞれが他の登場人物と向き合うシーンは刺激的だ。 風間にとっては約3 年ぶりの単独主演舞台となるが、風間自身は「4人で主役」だと強調する。 「この作品をトムが主人公の単独主演とは捉えていません。4人で繰り広げる4人が主役の作品。この作品は異分子であるダリル、その周りでダリルと対峙する人たちを描いています。それをトム中心に描くということは、見に来てくださる方々が、自分たちが異分子と出会った時にどう思いますか?という問いかけでもあると思います。ある種、僕は見てくださる皆様の代表というような気持ちでやっている」 松岡は、「……とはいえ出突っ張りですけどね」と笑った。 最後に改めて風間は「世の中には物語がたくさんあって明日が楽しくなるような作品もたくさんあります。でも、この作品は悲しい出来事やニュースが流れた時に憤りや辛さを感じたりとか、それが溜っている人たちが見に来てくださった時に、もう一度改社会や問題、事件に向き合ってみようと思う勇気をもらえるような作品だと捉えております」とし、「年の瀬で、街が華やいで楽しい気持ちになりたい方もいらっしゃると思うんですけれども、今年1年生きてきた中で辛かったり悲しい思い出を少し浄化するような、支えてもらえるような作品と出会いたいと思ってくださる方々に足を運んでいただければ」とアピールした。 28日まで同所で。 ■舞台上ではバチバチも「裏では仲がいい」クリスマスチキンプランも スリリングで深刻な舞台だが、楽屋では舞台上で展開する物語の世界とは随分違うよう。 風間によれば「コミュニケーションがすれ違っている物語ではあるんですけど、裏では仲いいです。クリスマス公演があるんですけれども、そういう作品じゃないにも関わらず、みんなでチキンを食べられたらって盛り上がっています」 取材会でも作品中の役どころとは正反対ともいえる松岡に対して、風間が「そんなに素晴らしい答えをしてくれるとこれから見ていただくと皆さんびっくりされるかな? これからダリルはすごく刺激的な感じで登場してくれます!」と、笑っていた。