【『No No Girls』レポート#10】りょんりょん先生が教える“プロのアーティスト”の心構え「近くの人から愛されてもいないのに、全国的に愛されるわけがない」
対象的な最年少コンビのMAHINAとMOMO
合宿2日目。「NG」の歌詞作りに取り組んでいた。歌詞のテーマは「意志を持った“強い女”」。 チームで歌詞を作っていると、MAHINAは「まず昨日思い浮かんだワードは……」と話し出す。 <バカ、無理、ダメ、お前じゃ無理/え?sorry 私には聞こえない/明日は好きなもの食べたいな ねえみんなそうでしょ?/ブラックホールにつめた言葉 何度も見てくる男の目線> 最年少メンバーから出てくる“男の目線”というワードにメンバーたちは、「好きだよそういうの!」「いいね!」と大盛り上がり。いつもは無邪気なMAHINAだが、曲作りやパフォーマンスではこちらをドキリとさせてくる。そんなつかみどころのない彼女について、KOHARUはこう語っていた。 「男の目線が……みたいな。どういうこと? ちゃんみなさんもおっしゃっていたけど、『本当にあなたどういう考えしているの?』って。オーディション初期から宿舎も一緒だし、3次審査も同じチームだったし、今回も同じなのに(頭の中が)まったくわからない。本当に才能って感じ」 そんななか、ただひとりアイデアが浮かんでこないMOMO。翌日になってもなかなか歌詞が決まらず、歌詞ノートにはワードがぎっしり書かれている。これだけ浮かんでもどれもしっくりこないのは「チームのテーマに自分が沿っていない」からだった。自分はまだ“No”をはねのけられるほど強い女にはなれていないのだという。 そんなMOMOはダンスが得意なメンバーだ。いつかダンスの仕事がしたいと、高校には進学せずに、引っ越し業者で勤務しながらレッスンに通っている。こうした進路を選んだのは父親からのあと押しがあったからだという。家族インタビューで、父親はこう話していた。 「高校は別にいつでも行けるし、卒業資格が必要になったときに通い始めればいい。好きじゃないことをがんばるのも大事かもしれないけど、楽しかったらがんばれるから、楽しいことを見つけて、それを楽しむのがいいんじゃないかな」 彼女の母親もこう続ける。 「高校進学は友達作りにもなるという意見もあったんですけど、友達はダンスでも作れる。ダンスをやっていたって年齢に関係なく、同じ目標に向かって切磋琢磨する仲間をどこでも作れる、という話になって」 そんな両親の理解もあり、ダンスに熱中してきた。だが、歌詞作りにはまだ慣れていないところもある。オールマイティーな候補生もいる環境の中で、どうしても自分自身に厳しくなってしまうのかもしれない。 「自分だけまだ歌詞が完成していない不安でダンスにも集中できない。もう全然思いつかなくて。考えれば考えるほどいろんな案が出てくるけど、これは違うわって。考えすぎて浮かばない」 MOMOは歌詞作りにずっと悩んでいた。合宿4日目になっても、チームでただひとり歌詞ができていなかった。歌詞を仕上げるため、別室でひとりで昼食をとるMOMO。 すると、部屋に入ってきたメンバーが。「何しに来てんの~」と少々嫌がるMOMOに対して、「MOMOちゃんに会いたかったの!」と返すのはMAHINAだ。同じ歳のメンバーとして心配なのかもしれない。 しばらくしてMAHINAが部屋を出ると、今度はKOHARUがやって来て歌詞作りをサポートする場面も。Aチームには悩んでいるメンバーをそっと見守る気遣いがあったが、Bチームには声をかけて支えようとする気遣いがある。チームをよりよくするための心配りがそれぞれ違っているのが興味深い。