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住宅ローン「月7万円 vs 月8万円」…幸せになれるのはどっち?

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※本記事は、株式会社緑建設代表取締役社長・齋藤正臣氏の著作『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎MC)から抜粋、再編集したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

建築費だけでなく、光熱費も一緒に考える

例えば家を建ててローンを組んだとしましょう。A邸は建設にかかるコストを抑えた結果、月々支払う金額が7万円になりました。気密性や断熱性を十分に考えて建てたB邸は8万円になりました。A邸の場合は、プラス光熱費が毎月2万円かかり、B邸は1万円だとします。毎月の出費は9万円と同じですが、どちらの家の方が快適に暮らせるでしょうか。 エアコンをつける機会が少ないであろうB邸のほうが、暑さや寒さに悩まされず、また空調による空気の汚染も少ないため、快適に過ごせることが想像できます。 家を建てるときに業者に見積りをとっても、一般的に光熱費の話というのはあまり出てきません。しかし建設後のランニングコストを考えず、家だけの価格で判断するのは、その後の住み心地を大きく左右します。長い目で見てどちらが得で過ごしやすいか、考慮しましょう。 自分たちが造る住宅の性能に自信がある会社は、施工後のランニングコストを公表している場合が多いので、ぜひ参考にしてください。ランニングコストが公表されていない会社の場合は、実際に家を建ててみないことにはわかりませんが、以前にその会社で家を建てた方の話を聞くなどして、検討することをおすすめします。 ■坪単価の比較は無意味 住宅の広告で目にする坪単価にも注意が必要です。坪単価の計算は定義がなく施工各社それぞれ異なる方法で算出します。通常、坪単価は延床面積で工事金額を割って算出するのですが、ローコストを売り物にする会社の中には工事面積と称して、延床面積には含まれない部分まで床面積にカウントする場合もあります。例えば、二階部分に床がない吹き抜けや、小屋裏収納、ベランダや玄関ポーチも床面積とし坪単価を安く見せるやりかたです。 坪単価40万円と答える会社があったとします。しかし、その中には外周りの配管や仮設足場の設置費用など含まれているのでしょうか? 最終見積りの段階で40万円の坪単価が契約時に60万円になるということもあり得るのです。表面上の坪単価が安いからといって費用が安いというわけでないことを知っておくことが必要です。 また坪単価は工事の内容と大きく関わってくるため、同じ延床面積でも家の形や材料、工事費などによって金額が変動します。注文住宅の場合、一般に複雑なプランほど坪単価は高くなり、単純なプランほど坪単価は安くなるといわれています。「おたくは坪いくら?」と、坪単価だけで判断するのではなく、金額のなかにどこからどこまでの何が含まれているのかを確認しなければ比較はできないので、注意が必要です。 坪単価は様々な要素で変動するため、建築材料や設備機器等で坪単価がどの位変わるか、細かい見積りを出してくれる会社に相談しましょう。見積り(入口)の記載があいまいで完成時(出口)には値段が跳ねあがっている、といったことにならないよう「入口の値段」ではなく「出口の値段」で確認をすることが大切です。 ■長期優良住宅の条件をクリアした家 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が2009年に施行されました。これは、住宅を長期にわたって使用することで、住宅の解体などに伴う廃棄物を減らして環境への負荷を抑える一方、住宅の建て替えにかかるコストを抑えることで、生活が豊かになることを目的とした法律です。国家の政策として、住宅の寿命を長くすることが推進されるようになったのです。 長期優良住宅と認定されれば、ローンや税制面での優遇などを受けられます。また、資産価値も下がらず、たとえ家を手放すことになっても、いい条件で売ることができるようになります。 新築木造一戸建てにおいては、「劣化対策」「維持管理・更新の容易性」「耐震性」「省エネ」「居住環境」「住戸面積制限」「維持保全計画」といった7つの基準を満たす必要があり、一戸建て住宅以外には「可変性」と「バリアフリー性」の2つが追加されます。 実を言うと私自身は長期優良住宅の条件をあまり意識していません。なぜならば弊社で造る家は、施行以前からすでにその条件を満たしていたからです。 ほかの住宅会社だと、長期優良住宅の条件を満たす家造りに追加で200万円程度かかるといったところも多いようですが、これは普段から基準を満たしていない家造りを行っていることが考えられます。もともと条件を満たしていればそんなにはかかりません。 ■省エネ性能表示制度で安心の家造り 国は住宅に関して、地球温暖化防止のため、断熱化や高気密化、エネルギー消費の低減化を推し進めてきました。2013年にスタートした「平成25年省エネ基準」では、建物内部に入る夏の日射量の基準値や断熱材の厚さに関することだけでなく、一次エネルギーの消費量も計算に組み込まれるようになりました。 さらに、2016年4月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」、通称「建築物省エネ法」が施行。これに基づき、「建築物省エネルギー性能表示制度(省エネ性能表示制度)」が始まりました。これは一次エネルギー消費量を算出し、建物ごとに省エネ性能を5段階でランク付けするものです。移行期間を経て、2020年には、すべての新築の建築物で、この基準に適合しているものしか、建築許可が下りなくなります。

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