玉木宏、綾野剛、松坂桃李ら“アウトロー俳優”の系譜を追う “悪い”オーラが生むギャップの魅力
屈強なアウトローというのももちろん魅力的ではあるが、顔立ちが凛々しく整った美形俳優だからこそ放たれるどことない儚さを携えたアウトローというのは、意外性もあり殊更魅力的に映るものだ。玉木も『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)でイケメン俳優としての地位を絶対的なものにし、その後も三枚目な役柄を厭わないキャラクター性で好感度が高く、時代劇などで落ち着いた演技もこなしてきただけに、“悪い”オーラを放つアウトローな役柄となれば否応なしにギャップが生まれ、作品にとっても俳優キャリアにとってもプラスになるというわけだ。 もちろん、このようにイケメン俳優からアウトロー俳優へステップアップしていく道筋が切り開かれていくことは、俳優界全体にとっても大いにプラスに働くことだろう。将来性のありそうな若手俳優たちがひしめき合っているとはいえ、彼らがゆくゆくはどんな俳優に成長するのか具体的なイメージがつかないのが正直なところだ。中にはライダー出身俳優など身体能力の高さを備えた者も数多くおり、彼らがアウトローな役柄もこなす俳優へと転身を遂げれば、日本の映画やドラマはこれまで以上に豊かなものになるような気がしてならない。
久保田和馬