首都大学野球秋季リーグ戦、開幕週の結果と注目選手は!?【前編】
4連覇の重圧を感じながらも層の厚さを見せる東海大学
73回のリーグ優勝を誇る東海大は2018年春から4季連続で優勝しており、昨秋は10連勝と圧倒的な強さを見せた。さらに、昨春の全日本大学野球選手権、秋の明治神宮大会共にベスト4と、全国大会でもしっかり結果を残している。 4年生主体だった昨秋から大きくスタメンが変わる東海大は、どんなチームになっているのか。リードオフマンを任されたのは、昨夏の甲子園準優勝メンバー、東海林航介(1年・星稜)だ。オープン戦でも1番センターで出場していた東海林は、初の公式戦の初打席で右前安打を放った。2番・小松勇輝(2年・東海大相模)が初球で犠打を決め、3番・串畑勇誠(4年・広陵)の左前安打で1死1、3塁とすると、続く小玉佳吾(3年・東海大菅生)は一邪飛に倒れたものの、5番の竹内絋生(3年・明石商)が2点適時打を打ち先制。 2回も東海林は四球で出塁すると、二盗で塁を進め、小松の適時二塁打で1点、串畑の適時三塁打で1点、さらに小玉の適時打で1点と得点を重ねた。7回、8回にもそれぞれ1点を加え、終わってみれば7-1と桜美林大に対し初戦を勝利で飾った。 打撃力もさることながら、隙さえあれば先の塁を狙うという走塁の意識の高さ、それを成功させられる技術の高さが見られる試合だった。中でも、昨年春、秋とベスト9に輝いた串畑の、躍動感たっぷりの走塁は観る価値ありだ。 投手では、昨年エースとして東海大を引っ張った山崎伊織(4年・明石商)が、3月にトミー・ジョン手術を受け今季の登板がない中、昨秋の神宮大会でも先発を任された高杉勝太郎(3年・東海大札幌)に期待がかかる。この日先発した高杉は、7回4安打3四球1失点と粘りの投球でチームを勝利に導いた。 試合後、「初戦はチームとしても大事なので、自分がしっかりした投球をするという気持ちでマウンドに上がりました。7回のあの1点は悔しいので、そこの詰めの甘さをこれからしっかりと修正していきたいと思います」とはっきりとした口調で話した右腕は「目標である(山崎)伊織さんを超せるように頑張る」とエースの自覚を見せた。