新型コロナ「反ワクチン報道」にある根深いメディアの問題
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月22日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。2月中旬に日本に届く新型コロナウイルス感染症ワクチンについてのメディアの報道姿勢について論じた。
新型コロナウイルスのワクチン~第1弾は2月中旬に到着
政府関係者は1月21日、確保を進める新型コロナウイルス感染症ワクチンの第1弾として、ファイザー製1万回分超が2月中旬に日本に届く見通しであることを明らかにした。また、菅総理大臣はこれに先立つ参院本会議の代表質問で、「全体として3億1千万回分を確保できる見込みだ」と述べている。この量は1月20日に正式契約を発表したアメリカのファイザー製を含め、政府が契約した欧米3社の合計の供給量を意味する。 飯田)ファイザーから1億4400万回分、アストラゼネカ1億2千万回分、モデルナ5千万回分ということです。 佐々木)1人2回打たなくてはいけないので、2億4千万回分くらい必要と考えると、それを上回っているのでいいのではないでしょうか。若干遅れ気味なのは心配ですね。アメリカは12月から打ち始めて、イギリスは2月までに1500万人に打つと言っています。アメリカとイギリスは人口の2%くらいですが、イスラエルは20%に達しています。しかも効果が出て来ていて、感染者が減っているということです。全世界で4千万~5千万はすでに打っているのです。バイデン大統領も打っているし、ローマ法王も打っている。そこでいまのところ報告されている副反応というのは、いわゆるワクチン一般にあるようなアナフィラキシーショックとか、発熱、悪寒、患部の痛みなどです。深刻な副反応はいまのところ報告されていません。日本人口の半分くらいの人が打っているのに、その程度で済んでいる。しかも、このスピードで開発するということは驚異的な話なのです。 飯田)そうですよね。
各メディアから続々と登場する「反ワクチン」報道
佐々木)とても素晴らしいのですが、なぜか日本国内ではメディアの報道が異常な方向に進みつつある。AERAが、 『医師1726人の本音、ワクチン「いますぐ接種」は3割』 ~『AERA』2021年1月25日号(1月18日発売) より 佐々木)……という記事を出しました。“お医者さんなのにわずか3割しか打つ人がいない”ということを書いています。週刊新潮は、 『コロナワクチンを「絶対に打ちたくない」と医師が言うワケ』 ~『週刊新潮』2021年2021年1月28日号(1月21日発売) より 佐々木)……と言う記事を出しました。さらに毎日新聞が、(配信)元の記事はオリコンニュースなのですが、 『新型コロナワクチン、6割超「受けたくない」女子高生100人にアンケート』 ~『オリコンニュース』2021年1月20日配信記事 より 佐々木)……と。女子高生に聞いてどうするのかと思うのですが。 飯田)サンプルも100人では全体を表しませんし。 佐々木)さらにTBSは、 『「自分たちは実験台?」ワクチン接種優先の医療現場から不安の声』 ~『TBS NEWS』2021年1月21日配信記事 より 佐々木)……という報道をしています。毎日新聞、TBS、AERAは朝日新聞です。そして週刊新潮という、いわゆる新聞、雑誌、テレビから続々と反ワクチンの記事が登場しているという異常な状況になっているのです。 飯田)多いですね。