レスリングに全てを捧げる女子高校生 「吉田沙保里2世」と呼ばれる期待の新星が“天皇杯”初出場・初優勝を目指す
昨年末に行われた、レスリング・天皇杯全日本選手権。「吉田沙保里2世」と呼ばれ、日本レスリング界の新星ともいわれる17歳の女子高校生が、初出場・初優勝を目指しました。高校生活の全てをレスリングに捧げ、家族一丸となって夢を追いかける…レスリングにかける家族を追いました。
高校2年生、藤波朱理(あかり)さん。普段は、三重県立いなべ総合学園高校の普通科に通っています。 高校1年生でインターハイに出場すると、3年生相手に圧巻の強さを見せつけ日本一の座をつかみ、その名を全国に知らしめました。 彼女のクラスメイトたちは-。 「何でもできる。レスリングの練習で時間ないのにテストで点数とってくる」 「学校は笑顔やけど、レスリングするとスイッチ入る」(クラスメイト)
そんな藤波選手の父・俊一さんは1988年のソウル五輪最終選考まで残った実績の持ち主。兄は、世界選手権の銅メダリストという「レスリング一家」です。藤波選手も、物心がついた時には、既にレスリングのユニフォームを着ていたといいます。 藤波選手の夢は「全日本選手権で優勝」。父・俊一さんは、家族で同じ夢を追いかけていると話します。 「私の夢は娘の夢。娘の夢は私の夢」(父・俊一さん) 父親の指導のもと、中学時代に日本一を2度達成。「三重の吉田沙保里2世」と注目されました。 「すべて犠牲にして、と思っている。それも幸せ。同じ夢に向かっていける」(父・俊一さん)
レスリング部の道場。創部から32年間で勝ち取った勲章が並びます。 監督は藤波選手の父・俊一さん。保健体育の教師として赴任し、レスリング部を創設しました。 国内のレスリング2大大会といわれる毎年6月の明治杯・全日本選抜選手権と12月の天皇杯・全日本選手権。藤波選手は12月の「天皇杯」出場を目指していました。 天皇杯に出られるのは17歳以上。藤波選手は、初めて挑戦権を得たのです。 「高校2年生の天皇杯・全日本選手権で優勝するというのは、父と2人で言ってきたこと。絶対にかなえたい」(藤波朱理選手)