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宇宙ゴミをレーザーで除去、スカパーJSATらが産官学共同で衛星を開発

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Forbes JAPAN

スカパーJSATは、理化学研究所、名古屋大学や九州大学らとの産学官合同プロジェクトを立ち上げ、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去を目的とした衛星の設計・開発を共同で進めていくことを発表した。2026年までに宇宙ゴミの除去を受託するサービスとして事業化を目指す。 6月11日には今回のプロジェクトを立案したスカパーJSATがオンライン記者会見を開催し、同社のデブリ除去プロジェクトのプロジェクトリーダーである福島忠徳氏が事業内容を説明した。 プロジェクトチームが開発、打ち上げを目指す衛星には世界で初めてレーザーを使って宇宙ゴミを除去するシステムが搭載される。 宇宙ゴミの除去を目的とするテクノロジーや手法には様々なものが存在するが、今回スカパーJSATが設計・開発を目指すレーザー搭載衛星は、宇宙空間に漂う制御不要な衛星などスペースデブリを遠隔からレーザーで照射して、少しずつ「押す」ことにより軌道修正を図り、地球の大気圏に追いやるというアプローチを採る。人工衛星等が大気圏に突入すると、通常はその大部分が落下中に焼失してしまうため、結果として宇宙ゴミが除去できるという理屈だ。 宇宙ゴミを除去するためのレーザー搭載衛星と聞けば、サイエンス・フィクションの舞台に登場する宇宙兵器のようなダイナミックに宇宙ゴミをレーザーで焼き尽くすような手法が思い浮かぶかもしれないが、スカパーJSATの福島氏はこれを明確に否定する。「1円玉を浮かせることもできないぐらい微弱な力のレーザーをゆっくりとパルス照射して、宇宙ゴミをひとつずつゆっくりと動かすような運用を考えている。衛星も数百kg前後の小型なものを想定している」と福島氏は話している。 レーザー方式を採用するメリットは、不規則に回転しながら宇宙空間を漂うスペースデブリに接近することなく、一定の距離を置いてレーザーを照射しながら安全に物体を動かせる可能性が高いからだという。またレーザーを使って一定方向に押し動かすことで推進力が生み出せることから、スペースデブリに何らの動力になるものを取り付ける作業によるリスクも発生しない。 スカパーJSATの福島氏は会見の中で、同社がこれまで約30年間に渡って放送・通信用途の衛星システムを数多く宇宙に打ち上げて、現在も保有・運営しながら沢山のノウハウを蓄積していることを強みとして述べている。「今後も衛星資産を活用しながら、さらに宇宙事業を拡大していくためには現在地球規模の課題となりつつある宇宙ゴミの除去に本腰を入れて取り組むべきであると考えた」と、福島氏はプロジェクトを立ち上げた動機を振り返る。

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