兄にだけ〈生前贈与3,000万円〉、遺言書では思いっきり遺留分を侵害され…親の死から10年後、弟が気づいた「とんでもない事実」【弁護士が解説】
遺留分侵害額請求をする際のポイント
遺留分侵害額請求をする場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?遺留分侵害額請求を成功させるポイントを3つ解説します。 1.期限に注意する 1つ目は、期限に注意することです。先ほど解説したように、遺留分侵害額請求は相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内に行わなければなりません。この期限を超過すると遺留分侵害額請求ができなくなるため、できるだけ早期に請求を行いましょう。また、期限内に請求したことの証拠を残すため、内容証明郵便で請求することをおすすめします。 2.生前贈与を含めて遺留分侵害額を算定する 2つ目は、生前贈与を含めて遺留分侵害額を算定することです。先ほど解説したように、一定の生前贈与も遺留分計算の基礎に含まれます。遺留分侵害額請求をする際は、生前贈与分を加味することを忘れないよう注意しましょう。 3.弁護士へ相談する 3つ目は、弁護士へ相談することです。遺留分侵害額を自分で適正に計算することは、容易ではありません。また、相手が受けた生前贈与を遺留分計算の基礎に含められるかどうかなど、実際に算定していくと疑問に感じる部分も少なくないでしょう。自分で長期間悩んだり調べたりしているうちに、請求期限を過ぎてしまえば元も子もありません。遺留分侵害額請求で後悔しないため、できるだけ早期に弁護士へ相談したほうがよいでしょう。
生前贈与の見落としに注意
遺留分計算の基礎に含めることができる生前贈与について解説しました。遺留分は遺言書について問題とされることが多いものの、一定の生前贈与も遺留分計算の対象となります。遺留分侵害額請求をする際は、相手方が受けた生前贈与を見落とさないよう注意しましょう。 また、将来の遺留分対策として生前贈与をする際は、これが本当に遺留分計算の基礎から除外されるのかどうか、あらかじめ弁護士へ相談することをお勧めします。 堅田 勇気 Authense法律事務所
堅田 勇気
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