5人のパパで育休5回のアイスランド大統領に聞くジェンダー平等「日本にできないはずはない」
各国の男女格差を比較する「ジェンダーギャップ指数」で13年連続1位のアイスランド。グズニ・ヨハネソン大統領(54)は、5回の育休を取得した父親でもある。ジェンダー平等“世界一”のアイスランドも以前は男性優位な社会だったという。どのようにして男女平等は実現したのか。ジェンダーギャップ指数で146か国中116位と低迷する日本が変わるために必要なこととは――。『news every.』の鈴江奈々キャスターが単独インタビューした。 【映像】育休5回取得した大統領に単独インタビュー 世界一“男女平等”アイスランドの「秘訣」
■ジェンダー平等は社会全体に恩恵
――男女平等が世界一進むアイスランドから学ばせていただきたいと思います。 男女平等は経済的な面でも賢明です。誰もが公平にチャンスを与えられ、誰もが平等に自分の能力を発揮し、夢を実現できる社会であれば、社会全体が恩恵を受けるのです。つまり、男女平等とは、女性にとっての正義や公正だけではありません。男女平等の社会であればあるほど、より豊かで、より幸福になれる可能性が高いのです。 私は日本に招かれました。アイスランドの経験について喜んで見識をお伝えします。男女平等に関して最も成功した国になったとはいえ、アイスランドにはまだやるべきことがあります。家庭内暴力や性的暴力の問題があり、女性が主に被害者となっている。改善していかなければなりません。しかし、私たちは正しい方向に進んでいます。そして日本の皆さんにも、私たちと一緒に正しい方向へ進んでほしいと願っています。 ――今はジェンダー平等トップのアイスランドですが、昔は違ったのでしょうか? アイスランドは、40~50年前、私が育った頃は男性社会でした。女性が権力や権威を持つことは非常に稀なことでしたが、今の私たちを見てください。私が生きている間に、私たちは変わったのです。物事がいかに早く正しい方向に進み、変化することができるかという一例だと思います。 日本の若い女性が社会で平等な権利を持っていることを理解し、若い男性もそれが自分の利益であることを理解するようになれば、社会の誰もが自分の能力を発揮するチャンスを平等に持つことができるでしょう。日本の人々は正しい方向へ進みたいのだと確信しています。日本の官庁の人たちは私から学びたいと言ってくれるのです。ですから、私はここに来ることができ、とても嬉しく思っています。