W杯日本代表選出 残る4人は誰だ?
続いて攻撃的MF。齋藤は左右のサイドハーフが務められ、昨年7月の東アジアカップでも見せたように、カットインからフィニッシュへと持ち込める。試合の途中から出場し、流れを変えられるので、ジョーカー=スーパーサブになり得るタイプだ。昨年6月のコンフェデ杯までは、その役割を乾が担っていた。だが、8月以降はザックジャパンでベンチに座る時間が長くなり、招集されない場合もあった。所属のフランクフルトでもシーズン終盤にポジションを失い、厳しい立場に置かれている。 工藤は代表では主に右サイドで起用されてきた。献身的に守備をしたうえで、斜めに飛び出してゴールを狙えるため、岡崎のバックアッパーとして打ってつけの選手だ。岡崎が左サイドや1トップにポジションを移した際に右サイドハーフとしての起用が考えられ、スーパーサブ的な役割も期待できる。また、センターバックを削って、攻撃のカードをもう1枚用意する可能性も捨てがたい。その場合、オプションとなり得るのは「高さ」だ。これまでも劣勢で迎えた試合終盤に194センチのハーフナー・マイクを投入して、パワープレー狙ったことが何度かあった。その際の候補となるのは、以下のふたりだろう。 センターフォワード(高さ)=豊田陽平、ハーフナー・マイク ハーフナーは昨年10月を最後に代表には呼ばれていないが、今季、オランダのフィテッセで二桁得点をマークして好調を維持。豊田も現時点でJ1の得点ランク2位に付けている。もっとも、地上戦を武器とするチームにあって、これまでふたりの「高さ」という持ち味が生かされた試しがほとんどない。ザッケローニ監督がその点をどう考えるか。 これまでの実績と、この半年の流れを見ると、以上のメンバーが現実的だ。とはいえ、このままではベンチに控える選手たちがワールドカップ未経験の若手ばかりになってしまう。いつ出番が回ってくるか分からない状態で、彼らが1か月以上に渡る長丁場でモチベーションや集中力を保ち、ベストパフォーマンスを発揮できるかどうかは分からない(実際、昨年のコンフェデ杯ではモチベーションを維持できず、指揮官が起用に躊躇した選手がいた)。その辺りのことはザッケローニ監督も当然考えているはずだ。