W杯日本代表選出 残る4人は誰だ?
気がかりなのは、清武と柿谷が好パフォーマンスを見せているわけではないことだ。柿谷はACLでは4ゴールを奪っているが、リーグでは11試合1得点。周囲を生かしてはいるが、自身の結果を残せていない。清武も低迷するチーム状態に引っ張られるように、パフォーマンスが安定しない。 とはいえ、これまでの実績と貢献度を考えれば、ふたりが落選することは考えにくい(指揮官が名指しで讃えた、お気に入りの選手でもある)。となれば、現時点ですでに23人中19人が「ほぼ当確」といった状態だ。残る枠は4つということになる。ザッケローニ監督は、これまでGKのみ3人で、あとは各ポジションにふたりずつ選出することが多かった。それをベースに考えると、残る4枠は、センターバック、ボランチ、攻撃的MF×2ということになる。それを踏まえて、有力候補を挙げると――。 センターバック=伊野波雅彦、鈴木大輔 ボランチ=青山敏弘、細貝萌 攻撃的MF=齋藤学、工藤壮人、乾貴士 センターバックをもうひとり選ぶなら、有力なのは伊野波雅彦だろう。これまでコンスタントに選ばれていて、センターバックのみならず、サイドバックやボランチをこなせる点が高く評価されている。オプションである3-4-3でのプレー経験があるのも大きい。ポテンシャルを考えれば、4月の代表候補キャンプに呼ばれた鈴木大輔や塩谷司も面白い存在なのは間違いない。だが、ディフェンスラインの選手にはラインの調整やチャレンジ&カバーの連係、体の向きやポジショニングにおいて細かい約束事がある。ザックジャパンで吉田や今野とプレーした経験がないというのは、ネックになる。 ボランチの青山と、細貝のふたりは甲乙つけがたい。ふたりはタイプがまったく異なるため、1席を争いながら、ライバルというわけではない。遠藤の代わりを務められるプレーメーカーが欲しいとザッケローニ監督が思えば青山になり、長谷部に代わって守備でストロングポイントを発揮できる選手を望めば細貝になる。どちらが選ばれるかは、他のボランチの選手との兼ね合いになりそうだ。