川崎Fが“今”チェルシーに勝利した意義とは?
アディショナルタイムを含めて約10分間の出場で、MVPと賞金100万円をゲット。後輩たちからいっせいに「ズルい」と言われ、苦笑いを隠せなかった中村だが、シーズンの真っ只中にヨーロッパの強豪と対戦できるワールドチャレンジの価値と、何よりも手にした“金星”の意味をこう説明する。 「向こうはプレシーズンの調整だったと思うけど、僕たちにとってはありがたかった。やっぱり気づきというものは、選手それぞれに起こることなので。大手を振って喜ぶような、誇張するような勝利ではないことは自分たちが一番よくわかっているけど、サッカー選手としてもっともっと突き詰めなければいけないことがあると、個人的には止めて蹴る、というのは絶対的なものだとあらためて感じました。若い選手たちが今日の試合をどのように感じて、どのように進んで行くのか。有意義な試合と言うとおかしいかもしれないけど、3連覇へ向けて進化するためにも、僕はそういう試合だったと思う」 勝利した、という事実にも後押しされながら、J1王者が掲げる目線がさらに高くなれば――。序盤こそ出遅れながらも現時点で14戦連続無敗を継続し、1試合消化が少ない状況で首位のFC東京に勝ち点差4ポイントにまで迫るフロンターレにとって、2007-09シーズンの鹿島アントラーズ以来、史上2チームとなるリーグ戦3連覇へのターニングポイントがチェルシー撃破となるかもしれない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)