スターフライヤー、最大110億円調達 第三者割当増資、筆頭株主は投資ファンドに
スターフライヤー(SFJ/7G、9206)は、第三者割当などで最大110億円を調達すると12月25日に発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で債務超過に陥る可能性があったが、投資ファンドのアドバンテッジアドバイザーズ(東京・港区)や、現在の筆頭株主であるANAホールディングス(ANAHD、9202)などが増資を引き受けることで当面は回避できる見通し。 筆頭株主は、増資によりアドバンテッジアドバイザーズが運営する投資事業有限責任組合IXGS III号(持株比率54.56%)に代わる。第2位となるANAHDの持株比率は、現在の17.96%から4.27ポイント低下し13.69%になる。ANAHDは持株会社へ移行前の2012年12月に、米国のベンチャーキャピタルファンドから株主を取得して筆頭株主になった。 臨時株主総会を2021年3月2日に開き、議決権のない2種類の優先株を発行。払込期日は同9日としている。国内の投資ファンド、アドバンテッジパートナーズグループのアドバンテッジアドバイザーズが運営するIXGSがA種株を55億円分、B種株をANAHDが15億円分、TOTO(5332)と安川電機(6506)など福岡県内企業が12社合計で10億円分を引き受ける。 主な使途は、構造改革の資金とITシステム刷新などの成長投資が21億円ずつ、有利子負債削減のための借入金返済資金が33億8000万円となっている。 アドバンテッジアドバイザーズには新株予約権を別途割り当て、最大30億2200万円を調達し、運転資金に充てる見通し。 スターフライヤーの2020年4-9月期(21年3月期第2四半期)決算(非連結)は、純損益が64億1100万円の赤字(前年同期は6億8700万円の黒字)。2021年3月期通期の業績見通しは、算出困難としている。
Tadayuki YOSHIKAWA