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「生活できない…」塩水飲んで空腹を満たす コロナで失われた日常、タクシー運転手の苦悩

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沖縄タイムス

 「このままでは生活していけない。この怒りをどこにぶつければいいのか」  国際通りはシャッター街と化し、普段のにぎわいは消えた。国内外から人が集まるはずの那覇空港も、人影はまばらだ。日常は失われ始め、その余波が県民の生活を直撃している。 【「めっちゃ暇なんすよ」】沖縄一の歓楽街、客引き男性の嘆き  ◆空車5時間  6680円、4520円、4140円-。タクシードライバーの上原重徳さん(52)=宜野湾市=の手帳には、毎日の営業記録が記されている。4月の1日当たりの売り上げは、1月の半分以下。新型コロナウイルスの感染が県内で増え始めた頃から、徐々に客足は落ち込んでいった。  普段は那覇空港で1時間待てば乗る客も、今は2~3時間かかる。ゆいレールの県庁前駅は10分ほど待てば動くはずだが、今は1時間待って、やっと人が乗る。5時間空車のまま、というのも珍しくない。  海外客が消え、来県自粛の要請で、国内客も減っている。オイルショック、リーマンショックよりも影響が出ていると戸惑うベテランのドライバーもいる。  何より生活が苦しい。これまでの手取りは16万円ほど。家賃や光熱費、保険や通信料金で、月々の出費は10万円以上になる。  ただ、先月は手取り9万5千円。会社に助けを求めても「どうしようもない」と一方的だ。現金給付を頼ろうと市役所に電話をしたが、「県などから通達が来てないので…」と見通しは立たない。  ◆感染の恐怖  スーパーで半額になった弁当やカップラーメンを買い、本来うがい用に使っていた塩水を飲んで空腹を満たす生活が続いている。  県内ではこれまで複数のタクシー運転手が感染している。密閉された空間で、知らない人を乗せる。感染への恐怖心は強い。  換気を心掛けてはいるが、マスクも手に入らず、ネックウオーマーで口を覆いながら乗車する。病気がちの身内や高齢の親族がいる同僚の中には、会社を去っていった人もいる。  少しでも希望を持って日々を送りたい。そう思いたいが、「この状況がいつまで続くのか、これまでの生活にいつ戻れるのか」。行き場のない思いが、ただ募る。(社会部・光墨祥吾)

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