不安を感じると動けなくなる「不安障害」の少女 得意のケーキ作りで似た境遇の子どもたちの憧れに お菓子作り教室を開催「一番楽しみなのはみいちゃんに会えること!」
■注文殺到…いつしかケーキ作りが重荷に
しかし、お店は評判になったものの、2年ほど経つと、みいちゃんに異変が…。 【母・千里さん】「こだわる力がなくなってしまって、見た目がかわいくて手間暇かけているケーキが秋くらいからなくなったんです。スタンダードなケーキに。発想も出てきてへんやろうなって思ったんですけど、脳が疲れているんやろうね。考えたくない時期やったのかもしれない」 想定以上に注文が殺到したことで、楽しかったケーキ作りが重荷に。 そして同年代の子たちが工房にくると、体が固まってしまうこともありました。 さらに、昼夜逆転の生活になり、うつ病と診断。支援学校も徐々に休むようになってしまいました。
2023年3月に行われた支援学校の卒業式。 そこには、みいちゃんの姿がありました。どうしても出席したいという思いが、久しぶりの登校を後押ししたのです。 寄り添ってくれたのは担任の先生でした。 【母・千里さん】「親やったらどうしても学校行ってないとマイナスに見えちゃう。なかなかプラスに見られないところもあるんですけど。ケーキ屋さんと養護学校のバランスとか、自分がどうしたらいいんやろうっていうのは、この子なりに考えた結果が今年なんやろうなと。3年間がんばりましたっていう姿勢が見えたかなと思います。この子の心の声は聞こえたかなって」
学校にはあまり通えませんでしたが、いつも連絡をくれ、支えてくれた先生たちに伝えたい思いがありました。 【母・千里さん】「本当はあかんのかもしれないけど、みずきはこういう形でしかお礼ができなくて、『自分で持っていきたい』って言ったんですよ。ここにみずきの気持ちが入ってます」 そして渡されたプレゼント。 【担任の先生】「わぁ。ありがとう、みいちゃん」 【母・千里さん】「この子が言ったんです。『先生に作ってもいい?』って」
スイーツは、みいちゃんの思いを伝える原点。 同じような生きづらさを抱えた子どもたちに、スイーツを通して何か伝えられるのではないか…。 千里さんは「みいちゃんのお菓子教室」を開くことを決めました。
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