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「逃げ恥」平匡さんから「MIU404」志摩、すべてが星野源である理由

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女子SPA!

今回はいつもと違うというよりも、星野源は常にいつもと違う

 星野源は自分の世界が確立されたアーティストであって、いろんな役ができてすごいという若手俳優への讃辞みたいなものとは無縁だとは思う。もちろんアーティストだって、今回のアルバムはこれまでと作風を変えてみた、とかいうことはあるし、作風を変えたら、いままでと違うとファンから不評を買い、絶望しながら自身を貫いたという伝説をもつ世界的なアーティストだっている。そう思うと、星野源の場合、星野源らしいからしくないかということから慎重に距離を置いているように感じるのである。  例えば、彼はいまや草食系の代名詞のようながら、ラジオでは積極的にシモネタをしゃべっている。また、朝ドラ「半分、青い。」(NHK)の主題歌「アイデア」で、朝ドラで流れていた部分はものすごく明るく爽やか前向き、いかにも“朝”というふうだったのが、朝ドラで流れなかった2番になると、がらりと反転して、夜の闇の世界をのぞかせた。コント番組「LIFE!」(NHK)で演じた親友思いが行き過ぎて重い“オモえもん”というキャラでは、友達を想ってニコニコ穏やかに微笑んでいるオモえもんからねっとりした束縛の感情が漂っている重層性。音楽バラエティー「おげんさんといっしょ」(NHK)では、女装してお母さん役で、女性の高畑充希が男装してお父さんをやっているという逆転も。  このように星野源はいつでも人間のもつ光と影の二面性をその都度出し入れしながら、音楽をやったり、芝居をやったり、エッセイを書いたり、常に流動しているのである。だから、今回はいつもと違うというよりも星野源は常にいつもと違うのである。

それまでのドラマで主役を張る俳優の定義を逆転させた

 俳優としての初期の星野は、イケメン大集合ドラマの走りと言われる「WATER BOYS」(03年 フジテレビ)にシンクロに青春をかける男子のひとりとして参加しているが、懸命に探さないとわからないほどだったし、「タイガー&ドラゴン」(TBS)や朝ドラ「ゲゲゲの女房」(NHK)でも地味めな脇役だった。舞台で主役になったときも追い詰められて爆発するような役であり、俳優としては通好みのタイプだったのだ。  それが、2010年代あたりから、イケメンブームと平行して草食男子ブーム、バイプレーヤーブーム、おじさんブームなど多様になってきたところに、草食男子ふうで、イケメン過ぎず、若手過ぎないバイプレーヤーと星野源は好まれる要素のあらゆるものをもっていた。音楽、演劇、文学と得意ジャンルのまんべんなさも理想的であったのだろう。それまでのドラマで主役を張る俳優の定義を逆転させたのが星野源であった。  また、活躍中にクモ膜下出血で生死の境を彷徨ったすえに復活したということも彼の人気を高めた。究極の陰陽――病と再生まで、あらゆるものの両義性を体現している人物なのである。

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