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「今生きている誰かの命を守りたい」池袋暴走事故、遺族の思い 裁判の争点は「車の異常の有無」か

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ABEMA TIMES

 昨年4月19日、東京・池袋で旧通産省・工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(89)の運転する車が暴走し、9人が重軽傷を負い、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡した。 【映像】大破した自転車、事故当時の現場(7分10秒ごろ~) 「昼休み、12時くらいだったと思う。妻と毎日テレビ電話で妻と娘に(毎日)テレビ電話してましたので、『きょうは定時で帰るよ』とか、いつも通り『待っててね』と……」  愛する妻と娘を突然失った、松永拓也さん。事故後から何度も会見を開き、2人への想いと事故防止の必然性、そして飯塚被告への厳罰を訴えている。 「妻と娘は本当にやさしく、人を恨むような性格ではありませんでした。私も2人を尊重し、本来ならばそうしたいです。ですが、私の最愛の2人の命を奪ったという相応の罪を償ってほしいです」  そして、事故から1か月後。胸の骨を折るなどして入院していた飯塚被告が退院。任意聴取に応じるため、公の場に初めて姿を現した。  記者が「なぜ事故は起きた?」と声をかけると、飯塚被告は「申し訳ございません。それだけです……」と回答。飯塚被告は当初、事故の原因について「アクセルペダルが戻らなかった」「何度かブレーキを踏んだがきかなかった」と話したという。

 一方で警察は当時、飯塚被告が運転操作を誤ったとみて、逮捕はせずに任意での捜査を続けていた。これに対し、松永さんは署名活動を開始。 「真菜と莉子は命を落として、けがをされた方も大勢いる。一方で加害者がもし厳罰にならなければこんな不公平はないと思う」  また、死亡した松永真菜さんの父親である上原義教さんは、署名に来た人に対し「これだけたくさんの人たちが同じ思いを持って署名に来てくださって、本当に心から感謝したい。その気持ちでいっぱい」と思いを語る。集まった署名は39万筆以上に上り、東京地検に提出された。  事故から7か月経った、昨年11月。飯塚被告が過失運転致死傷の疑いで書類送検され、その後、在宅起訴された。今年7月には、事故現場に慰霊碑が設置された。全国から、およそ1150万円の募金が集まったという。 「これからの私の行動によって、交通事故が1件でも防げるかもしれない。今生きている誰かの命は守れるかもしれない。それが2人の命を無駄にしないということなのではないか。真菜と莉子は確実に私とともに生きていました。しかし、もうこの世にいません。身近な人を愛するように、車の外に向けても愛のある優しい運転をお願いします」(松永さん)  10月8日に開かれた初公判の冒頭で、飯塚被告は「心からお詫びし悲しみとご心痛を思いますと言葉はございません」と遺族らに謝罪。罪状認否では「アクセルを踏み続けたことはなく車に何らかの異常が発生して暴走したと思っています」と述べ、無罪を主張した。  飯塚被告の弁護人は「飯塚さんが車を運転していたことに争いはないが、過失はない。車の制御システムに何らかの異常が発生したため、過失運転致死傷罪は成立しない」とコメントしている。  一方、検察側は「車は定期点検を受けていて、ブレーキやアクセルの異常はなかった。アクセルペダルを踏みこんだデータは残っているが、ブレーキを踏んだデータは残っていない」と指摘。この報道にニュース番組「ABEMAヒルズ」コメンテーターのテレビ朝日 元アメリカ総局長・名村晃一氏はこう語る。 「今日の初公判では、事実確認について本人の口から認否を話す以外にも、その他に裁判所でいろいろな手続きがあった。その中には取り調べの中で、車に異常があったのかどうかの調査書類も残っていて、整備点検者による点検で異常がなかった旨の調書が提出されている。中には被告の息子の調書もあり、事故直前の3月下旬に運転したが異常はなく、また被告から車に異常があることについて『聞いたことがない』という主旨の内容が記されている。裁判所は何が原因なのか一つ一つ積み上げていくが、検察・警察が調べたことはしっかり証拠として提出されている」  その上で名村氏は「遺族にとってつらい裁判」と見解を示す。 「当然裁判ですから、被告として言いたいこと、自分の主張をする場。車に本当に問題があったのか、なかったのかという部分が、この裁判の争点になる。遺族からすると、相当きつい、つらい裁判だ」 (ABEMA/「ABEMAヒルズ」より)

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