カフー氏が振り返る2度のキャリアの分岐点、実現しなかったパルマ&日本移籍「ミランから連絡があった時、横浜FMからお金が振り込まれた後だったが」 | セリエA
【欧州・海外サッカー ニュース】現役時代にミランやローマなどで活躍した元ブラジル代表のカフー氏が、イタリアのイベントで語り、2003年夏のミラン移籍など過去のエピソードなどを明かした。 【動画】”ミランの子”ガッビアがミラノ・ダービーで決めた!
かつて世界最強のサイドバックの1人として謳われ、2度のFIFAワールドカップ制覇を経験したカフー氏が、イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』の主催する「il Festival dello Sport」のイベントに登場。セリエAで活躍した現役時代を振り返った。 カフー氏は、「ブラジルでは、イタリアのカルチョが最高に素晴らしいと言われていて、みんながイタリアに行くことを望んでいた。私はセリエAを見て育ち、ミランの選手たちを尊敬していたんだ」と子どもの頃からのセリエAへの憧れを語り、2度のキャリアの分岐点を明かした。 1997年から6シーズンにわたってプレーしたローマでは、フランチェスコ・トッティ氏や中田英寿氏らと共にスクデットを獲得したが、当初、パルマへ移籍する予定だったことを告白した。 「私はパルマへ行くはずだったんだ。その後、(ズデネク)ゼーマンが私のローマ行きを望んだんだ。ゼーマンの下では、運動量を求められるが、私はよく走る選手だったので、気に入られていたんだ。ローマでは、2001年にスクデットを獲得したが、ローマでのスクデット獲得は異なるものがあり、最高だったよ」
「アンチェロッティが欲しがっている」
2003年夏に移籍したミランでも、再びスクデットを獲得したカフー氏。だが当初、横浜F・マリノスへ移籍し、Jリーグでプレーするはずだった。元ブラジル代表DFは、急転直下のカルロ・アンチェロッティ率いるミラン移籍の舞台裏を明かした。 「私が日本の横浜と契約をサインした1カ月後、レオナルドと(当時のミラン幹部アリエド)ブライダから連絡があった。翌日、彼らがローマへやって来て話をした。アンチェロッティ監督が私をミランに欲しがっているというんだ」 「『33歳の私を? 本当に?』と思わず聞き返した。『本当の話なのか? 冗談ではないのか?』とね。すると『本当の話だ』というんだよ。私は、すでに横浜と事前契約にサインをし、翌月、日本へ行く予定であることを伝えた」 「『そんな!』という2人に対し、私は『本当だよ。私は日本へ行くんだ』と答えた。まだ冗談だと思っていたので、レオナルドとブライダを見てたずねた。『この話は本当なのか?』ってね。監督が私を欲しがっているというのは本気の話だった」 ミラン行きを決意したカフー氏は、横浜FMから自身の口座に振り込まれた全額を返金し、契約を解除したことを明かした。 「それから私は日本に連絡をした。すでに私の銀行口座にお金が振り込まれた後だったが、『小さな問題がある。ミランが来シーズン、私にいて欲しい』と切り出した。ところが『事前契約があるので、それは不可能だ。お金も全て振り込んだ』と言われた」 「私は『これまでに振り込まれた全額を返金するので、口座番号を教えて欲しい。手を付けていない』と伝えた。すると『良いだろう。だがすでに君が来るかもしれないと発表してしまったので、ファンに話をしなければならない』と言われたよ。『行くかもしれなかったが、私は行かない。私はミランへ行く』と伝えた。彼らは少し私に怒っていたよ」 最後にカフー氏は、同胞のブラジル代表FWヴィニシウスの人種差別被害にも言及。「人種差別は至るところで起きている。サッカーは差別をなくす援助をするべきだが、ヴィニシウスは笑顔で対抗するべきだ。彼の気持ちは理解できるけどね」とアドバイスを送った。 試合情報 ミラン vs ウディネーゼ 試合時間:2024年10月20日(日)日本時間1:00 会場:サンシーロ
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