Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

捨てないで!使用済み切手 その一枚が、途上国の子どもの命を守る

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
Yahoo!ニュース

 使用済みの切手は無用、と思っていないだろうか。友人や知人、仕事先から、あなたに送られてきた手紙やはがき。そこに貼られた一枚の切手が海外の医療支援につながっていることを、深く豊かな切手の世界と共に紹介する。

東京オリンピックの年に始まった使用済み切手集め

 東京都・西早稲田。周辺には早稲田大学や山手線内で一番高い人造の箱根山(標高44.6メートル)がある。その一角、キリスト教関係の団体が集まった古いビルの一室の扉を開けると、壁に背丈ほどに積まれ、床一面に広がった段ボール箱が目に飛び込んでくる。100個以上あるだろうか。中はすべて使用済み切手だ。

 ここは、筆者が勤める公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)の事務局だ。1960年に設立されたJOCSは、日本の国際協力NGOの草分けである。東京オリンピックが開かれた1964年、国内で最初に使用済み切手を集めて海外での医療支援を始めた。  朝10時、集まった5、6人のボランティアが手際よく郵便物を開封していく。中には全国から寄せられた新旧さまざまな使用済み切手が入っている。ハサミでていねいに切り抜き、床に置かれた高さ25センチほどの段ボール箱に次々と入れていく。  毎日届く切手は、重さにすると一年間で約10トンに達する。

 段ボールひと箱には約4万枚の切手が入っている。これを、希望する全国の収集家へ1万4千円(送料込み)で送る。年間で約1700万円の収入となり、海外での医療支援に使われる。

「使い終わった切手が人の役に立つことを、もっと多くの人に知ってほしい」  母、娘と3代にわたってこのボランティアを続けている中沢宏子さん(77歳)は、こう話す。

使用済み切手の新たな人生

 申し込んでから1カ月待ちとなる使用済み切手。なぜこれほどの人気なのか。その答えの一つがこの不思議な絵だ。  切手で作った貼り絵だ。作者は横浜市の切手収集家、金川博史さん。公益財団法人日本郵趣協会の理事でもある。  「小学生のころグリコのおまけに付いていた外国切手がコレクションのきっかけ」という金川さん。消印を見て切手が使われた当時の状況を想像するのが楽しいという。切手の貼り絵を始めたのは30年ほど前。コレクションを続けていると、いらない切手が残ってしまう。

【関連記事】