ドイツ経済は今年マイナス成長、来年もわずかな伸びへ-連銀
(ブルームバーグ): ドイツ経済は今年縮小し、来年もわずかな成長にとどまる見通しだ。ドイツ連邦銀行(中央銀行)が最新の予測で明らかにした。
ドイツ連銀は13日、ドイツの今年の国内総生産(GDP)成長率見通しをマイナス0.2%とし、6月に予測した0.3%から引き下げた。来年の成長率も0.2%と、従来予測の1.1%から大きく下方修正した。米国の次期政権が関税を実際に導入すれば、再びマイナス成長に落ち込む恐れもありそうだ。
ドイツ連銀のナーゲル総裁は、工業部門をはじめ、「ドイツ経済は逆風続きであるだけでなく、構造的な問題にも苦しんでいる」と述べた。また、「労働市場も、経済活動の長期低迷に顕著に反応している」と指摘した。
欧州最大の経済大国ドイツの先行きは従来から暗かったが、さらに悪化している。工業や自動車の大手企業は苦境が長引いている上、来年2月の議会選前に政治的混乱と米国のトランプ次期政権によるリスクが加わったためだ。
ドイツ連銀の予想では、今年の冬はゼロ成長にとどまり、来年も緩やかにしか回復が始まらないとしている。2026年は0.8%、27年には0.9%の成長を見込む。
ただ、トランプ次期米大統領の政策など下方リスクがある。ドイツ連銀は同国経済が「輸出に大きく依存しており、制限的な貿易政策に端を発する世界的な貿易損失による外需減少に対して特に脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べた。
連銀のリポートは、米国の政策転換により、全体として2027年の経済生産は基本シナリオを1.3%-1.4%下回る可能性があるとしている。別の試算によると、貿易摩擦でドイツのGDPは25年に再び停滞または縮小する可能性もある。
インフレ見通しについては、連銀は6月の予想を下方修正した。来年は2.5%から2.4%の引き下げにとどまり、高止まりを見込むものの、その後の数年間で徐々に目標の2%に戻るとみている。
原題:German Economy Will Hardly Grow in 2025, Bundesbank Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Mark Schroers