狩猟の役割、魅力を知って 県が山形でイベント、免許取得促進図る
野生動物の目撃や農作物被害が相次ぐ中、捕獲の担い手となる狩猟免許所持者を増やそうと、県は1日、ハンターの役割や自然と関わる魅力を知ってもらうイベントを山形市のイオンモール山形南で初めて開いた。専門家の講話や動物の骨の展示、狩猟の疑似体験など軟らかい内容で買い物客に発信した。 県内の野生動物の調査研究と環境教育に取り組む「やまがたヤマネ研究会」(山形市)の中村夢奈代表がトークイベントに出演した。協力関係にある県内のハンターの特長について▽自然の音や匂いなどに魅力を感じている▽ジビエを好んで食べ、料理上手▽プラモデル作りが好きで銃やわなの解体、掃除、組み直しが得意―などと紹介。「植物や動物、土地を知るプロだ。ぜひ免許取得にチャレンジして」と促した。 続いてクイズを交えながら野生動物の生態を解説した。クマについては山林で遭遇した際の対処法に触れ「静かに後ずさりすること。至近距離ならダンゴムシのように体を丸めて手で頭を守る」と助言した。イノシシの記憶力の良さや牙の危険性も指摘した。
会場には、本物のクマの毛皮やシカの骨に触ることができるコーナーを設けたほか、モデルガンでモニターの動物を撃つ疑似体験、ジビエ加工品の販売、狩猟免許取得の相談対応などもあり、多くの家族連れが足を止めていた。