中国に新たな異変…ここにきて中国の若者が「共産党クイズ」に大熱狂しているワケ…Google、YouTubeは存在すら知らない
ビジネスパーソンをはじめ日本でもその扱いの是非について話題になることが多いZ世代。いままでの世代とは圧倒的に異なる特徴やマネジメントの仕方など、ニュースでもたびたびとりあげられることが多くなっています。 【漫画】Momoka Japan 外国人が日本食を食べて感動が止まらない いっぽう、お隣の国、中国でも日本と同じくZ世代のその激しい動向に注目が集まっているようで…。SNSでは「@May_Roma」(めいろま)として活動し、元国連職員で海外事情にも明るい谷本真由美氏が、その驚きの実情について解説します。 *本記事は谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない6』から抜粋・再編集したものです。
超強烈なネトウヨ、愛国主義
最近の中国の経済的不況などから、政府に不満を抱えた一部の若者は、政府に対する反対運動やデモに参加し始めています。たとえばZ世代は、ナイキなど海外ブランドの不買運動の中心的存在です。 しかしネットの世界では清朝末期の抗日活動コンテンツが大人気で、反日ミームや動画、歌を投稿したり共有することが一種の娯楽になっています。中国のZ世代は基本的には超強烈なネトウヨ、愛国主義なのです。 そのような愛国心はファッションにまで影響を及ぼしています。 Z世代は中国の古代文化や、1700年代以前の服である「漢服」(Hanfu)にも大変な興味を持っています。中国のコンサルティングファームであるiiメディアリサーチ(ii Media Research)の調査によれば、漢服ファンは2018年の204万人から2021年には689万人に急増し、その70%はZ世代です。 サウスチャイナ・モーニング・ポストによれば、中国での販売数は2015年から2021年の間に50倍以上に増え、14億5千万米ドル(約2200億円/2024年10月時点)に達しています。 化粧品や家電なども、Z世代は国産ブランドを優先し、伝統的なデザインなどを取り入れたものがトレンドです。中国の伝統的なデザインやコンセプトを現在に取り入れるトレンドのことを「国潮」(グオチャオ/guochao)と呼びます。 中国ではここ最近「国潮」風のテレビのバラエティ番組、ネットでトレンドになる「国潮」風食べ物、「国潮」ファッションが流行っており、物質的に満足した中国人が失われたものを取り戻そうとする動きだと見るいっぽうで、政府による意図的なトレンドだとする見方もあります。