スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」に試乗。日本の道路にベストマッチ&スポーティーな走りで大ヒットの予感!
ちょっとしたスポーツカーのような走りを体感!
パワートレーンは、最高出力74kw(101PS)/6,000rpm、最大トルク135Nm/4,400rpmを発生する排気量1.46Lの「K15C」型直4DOHC16バルブ自然吸気エンジンに、2.3kW(3.1PS)/60Nmを発生するモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。6ATを介して1,070kg(2WD)のボディを担うシステムで、4WDモデルも用意される。 まず2WDモデルで走り出してみると、1.5Lマイルドハイブリッドと、1トンをわずかに超える軽い車重の組み合わせによるスポーティーな走りがなかなかいい。ドライブモードをスポーツにいれ、ステアリングに備わる大きめで手のひらにフィットするパドルシフト(ちゃんとわかっている人が設計している形状だ)を駆使すると、よりスズキ車らしい(スイフトスポーツを彷彿させる)キビキビした反応になる。 またコーナー手前のシフトダウンとブレーキングでフロント荷重にしてやってステアリングを切ると、ちょっとしたスポーツカーのような動きを見せる。足回りは低速ではわずかにコツコツ感があるけれども、コース途中の橋の取り付け部にある段差など、凹凸部分をするりと駆け抜けていく前マクファーソンストラット式コイル、後トーションビーム式コイルのシンプルなサスのチューニング具合も上手い。開発担当者も、「ちょっとスポーツ度を増した設計にしています。わかっていただけて嬉しいです」とおっしゃっていた。チューニングはガチガチではないので、普通のファミリーが買い物やロングドライブで使用しても全く問題ない、という仕上がりだ。 もう1台の4WDモデルはさすがに挙動が落ち着いた感じだ。2WDモデルの車内が静かだっただけに、わずかにリアの駆動系からのノイズが増えるのは仕方ないが、ドライブモードには2WD同様の「スポーツ」だけでなく、下り坂で車速を保つ「ヒルディセンド」や荒地での「グリップコントロール」、雪道の「スノーモード」を備えていて、少しハードな環境で乗るための対応は万全だ。 あとは価格面だが、スズキのことだからそこはイイ線をついて来るはず。生産地も含めて、WR-Vの最大のライバル現る、という感じだろうか。 SPECIFICATIONS スズキ フロンクス|SUZUKI FRONX ※プロトタイプのため参考値として記載 ボディサイズ:全長3,995×全幅1,765×全高1,550mm ホイールベース:2,520mm 車両重量:1,070kg 駆動方式:2WD エンジン:直列4気筒 総排気量:1,460cc エンジン最高出力:74kw(101PS)/6,000rpm エンジン最大トルク:135Nm/4,400rpm モーター最高出力:2.3kW(3.1PS)/800~1,500rpm モーター最大トルク:60Nm/100rpm トランスミッション:6段AT 使用燃料:無鉛レギュラーガソリン タイヤ:195/60R16 89H 最小回転半径:4.8m 乗車定員:5名
文=原アキラ